トルコの鉄道乗りある記2011春(2)YHT | アーディで行こう

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「普通」を意味する便利な言葉、「アーディ」 地元の足として、とことこ走るバスなんかを「アーディ バス」、エジプトではエアコンなし列車を「アーディ」 そんな方法での旅を紹介しましょう。
え、そんなの自分には無理だって? 大丈夫。「アーディ、アーディ」

アーディで行こう-エスキシェヒル駅アーディで行こう$アーディで行こう-セキュリティサカルヤ・エクスプレシでエスキシェヒルに着いた次の日は、トルコの高速鉄道YHTに乗車してみました。
エスキシェヒルには何度も来ており、2009年にもYHTに乗車していますが、その時はホームで乗り換えてイスタンブールに向かったので、街に出たのは今回が初めて。
ドーム型の変わった建物で、正面ファサードに縦に入った桟が印象的です。

ドームですからロビーの天井も高く、左右の天井が下がってきたところにカウンターがありました。YHT開業に合わせて電光掲示板を設置したようです。チケットは昨晩のうちに購入しておいたのでロビーを見渡してからホームへ。向かい側の2番ホームに白地に青ラインのYHT編成が見えます。古風な地下通路を通ってホームに上がると、空港と同じような荷物検査機を備えたセキュリティ・チェックが。トルコ国鉄ではYHTの乗客にだけ保安検査を行っており、ホームにも柵が設けられて一般客は列車に触れられないようになっています。

アーディで行こうアーディで行こうアーディで行こう-ビュフェ$アーディで行こう
現在のYHTの車両はスペインのCAFという会社が製作したもので、車体中央に扉とデッキがあり、客室が左右に分かれているのが大きな特徴。車内は日本の特急列車とほぼ同じ雰囲気ですが、座席は回転せず、中央部に向かって集団で見合う固定式ですので、指定された席が前向きか後ろ向きかは運次第。私たちの席は運良く前向きでした。

エスキシェヒルを定刻に発車すると、線路のすぐわきで工事をしています。近い将来、エスキシェヒル駅は地下化されるのです。現在の駅ホームに手が付けられていないのはそのせい。

まもなく、列車は高速新線に乗り入れ、ぐんぐんスピードを上げていきます。車窓には草地が広がり、娘が退屈しだしたので、車内を見て回ることにしました。乗車したのは4号車。エコノミーと呼ばれる座席です。YHTには豪華革張りシートのビジネスクラスもあるのですが1号車の半室だけ。ほとんどがこのエコノミーです。
2号車には半室ビュフェがあるのですが、残念ながら本格的な調理はしておらず、スナック菓子と飲み物程度しか販売していません。ワゴンでの車内販売も同様。今は最大1時間半程度の乗車時間ですから、これでいいのかもしれません。乗車時間が3時間となるイスタンブール延長で食堂車がつくかどうかですね。
アーディで行こう-車内販売
YHTには男性車掌とともに、2名の女性キャビンアテンダントが乗車しています。こども好きなトルコ人気質は、若い女性も同じ。娘といっしょに記念撮影です。



アーディで行こう前回ご紹介したコンヤ線の分岐をすぎると、在来線と並走。窓の外にはイズミールからの夜行列車が見えます。
こちらの車内は談笑する声も少なく、静か。まもなくポラットルに到着です。





アーディで行こう今回はここで下車。ホームは地元の小学生であふれていました。見学に来たのか? と思っていると、私たちの乗ってきた列車の後に、駅の構外で待機していた別編成が入線し、それに乗車していきました。見学旅行といったところでしょうかね。

アーディで行こうポラットルは在来線のポラットル駅とは別の場所に新しく建てられており、まわりには町が全くないことはわかっていたのですが、ちゃんと町までのシャトルバスが迎えにきていました。ポラットル市が運行するYHT乗客専用バスのようです。よかったよかった。しかもセルヴィスと表記されたとおり、無料です。YHT駅ができたのがうれしいんでしょうね。
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アーディで行こうポラットルはミダス王の遺跡ゴルディオンへの入り口にあたるのですが、バスで行くツアー客がほとんどなのか、あまり観光客ずれしていません。タクシーの運転手に勧めてもらったレストランは美味しくて、しかも安くて最高でした。
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$アーディで行こうポラットルからアンカラまでは1日3往復だけ区間列車が走っているのですが、時間が合わなかったので30分に1本のフリークエントサービスを誇るバイサル社の大型バスにしました。なぜか娘はここでも社員に気に入られてアイスをもらったり、事務室に連れて行ってもらったりと大人気でした。シリア人も子供好きですが、うちの娘はトルコ人の方がモテるようです。昨年は「うちの5歳の孫の嫁にどうだ。20年待つから」と言われましたし。20年待つということは、20代前半が適齢期なのかと、そっちの方が気になりました。ヨルダンだったら、「10年待つ(ということは10代前半)」だろうなあ。
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