トルコ高速鉄道YHTアンカラ〜コンヤ線が開業 | アーディで行こう

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「普通」を意味する便利な言葉、「アーディ」 地元の足として、とことこ走るバスなんかを「アーディ バス」、エジプトではエアコンなし列車を「アーディ」 そんな方法での旅を紹介しましょう。
え、そんなの自分には無理だって? 大丈夫。「アーディ、アーディ」

トルコにはYÜKSEK HIZLI TREN(略してYHT 英訳するとHigh speed train)という高速鉄道が整備中なのですが、さきにお伝えしたエスキシェヒル~アンカラ線に続いて、アンカラ~コンヤ線が8月下旬に開業しました。

アーディで行こうアーディで行こうアーディで行こうアーディで行こうアーディで行こうYHTは主要駅は既存の路線に乗り入れ、郊外部は複線の高速専用線を整備するヨーロッパ流の高速鉄道です。2009年10月にイスタンブール~アンカラ線の一期工事として、東半分のエスキシェヒル~アンカラ間245kmが開業しています。今回のコンヤ線はこの路線の途中にあるポラットルPolatlıから分岐し、まっすぐ南下してコンヤに至る212kmの新線で、これによりアンカラ~コンヤ間は302kmとなります。

TCDDトルコ国鉄のYHTのページには時刻表も掲示されました。
それによると、アンカラ発、コンヤ発ともに
7:00、11:30、15:30、18:30
の1日4便、所要時間はコンヤ行き1時間42分、アンカラ行き1時間37分ですから、3時間半程度かかるバスより圧倒的に速いですね。

現在YHTは写真1枚目のスペイン製車両で運転されています。最高速度は250km/hです。今年2011年5月にエスキシェヒルからポラットルまで乗車したときには、254km/hくらいまで出していました(写真2枚目)。今後はトルコのアダパザルにある韓国ヒュンダイ提携工場で、韓国新幹線KTXタイプ(ということはフランスTGVタイプ)の新型車両を量産し、投入する予定となっています。この車両になると最高速度は350km/hまで順次引き上げられることになるでしょう。

写真3枚目は今年の5月に乗車した際に見た、ポラットル付近で分岐するコンヤ線の建設工事の様子。この分岐では東のアンカラへ向かう線路のほかに、西のエスキシェヒルへ向かう分岐線も造られており、写真はその西向きの分岐線です。

ここはハイウェイと、在来線をまたぐ橋もあるところで、ちょうどこの日は、在来線を走る急行を追い抜くところでした。画面左にちらりと映っていますが、時間帯から見ておそらくアンカラを目指して夜どおし走ってきたイズミール発のİZMİR MAVİと思われます。

写真4枚目はさらに1年前、2010年5月にコンヤ付近で見た高速新線の工事の様子。電柱はほとんどが建植ずみでしたが、レールの敷設や架線については、まだまだといったところでした。この状態から1年半で開業してしまうのですから、中国もびっくりの早業です。日本のように試運転を繰り返して、100%のパフォーマンスが確かめられた状態で開業するのではなく、開業しながら徐々にスピードアップなどをするのが、トルコ流のようですね。右の在来線上を行くコンヤ発イスタンブール行きMERAM EKSPRESİから撮影したものです。

もう一枚、今度はアンカラからの分岐線を見下ろすところから、分岐全体を見た写真です。右奥がエスキシェヒル方向で、いまちょうどエスキシェヒル発アンカラ行きが通過するところ。左手に分岐するのがコンヤ線。また、画面奥を左右に横切る築堤が、西へ向かう分岐線で、これを使うことで、将来はイスタンブール方面からの電車も方向を変えずにコンヤへ向かうことが可能となっています。今年5月の撮影です。

アンカラ~コンヤ間はこれまで3時間半かかるバスが主な移動手段でしたが、これで大幅に早く移動できるようになりましたね。ぜひ利用してみてください。


2014年7月補遺
この記事は2011年のものです。イスタンブール延長の記事は
トルコ高速鉄道YHT一般運転は26日から
をご覧ください。



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鉄道ピクトリアル 2010年 05月号 [雑誌]/著者不明

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