ヨルダン、特にアンマンに滞在のみなさん、今年も寒い日、どんよりな日が続いていることかと思います。このヨルダンに、一番早く春が来る場所を知っていますか？ アカバ？ 死海？ いいえ、それはアジュルン～イルビッドのラインより西側にある、北部丘陵地帯なんです。あの付近は降雨量も多く、冬を迎えたこの時期には草花に生気が戻っているのに加えて、ヨルダン渓谷からの暖かい風が吹き上がってくるので、なんと１月には青々とした緑が戻り、２月にはさまざまな花が咲き乱れるんですね。今日は冬～春のお出かけに最適な、北部丘陵地帯のトレッキングルートを写真と地図でご紹介しましょう。
ペラ遺跡へのダウンヒル・トレッキング
北部丘陵にはあちこちにトレッキングに適した小道があるのですが、今回は昨年２月に書いたブログ「２月のおすすめスポット：ペラ遺跡のお花畑」にちなんで、ペラ遺跡にからむトレッキングルートをとりあげます。
ペラ遺跡自体の説明は、先のページにありますので、参考にしてみてください。
私がペラを最初に訪問した時は２月中旬でもちろん花が咲き乱れていたのですが、翌年、仕事で遺跡に行ってびっくり。アンマンでは何もかもが凍てつく１月１７日だというのに、ペラの村は写真１枚目のように青々としているではありませんか。この日は太陽も降り注ぎ、ぽかぽかと暖かい春のような陽気。これはプライベードでトレッキングするしかないと、２月上旬に決行しました。
２枚目の写真はその２月１０日のペラ村。アンマンあたりだと３月中～４月中旬のような風景です。
ペラへのダウンヒルルートは大きく２つ
ペラ遺跡はヨルダン渓谷にあるので、トレッキングをするなら東側の丘の上からダウンヒルするのがいいです。２月１０日は、１月に公用車で走ったルート（地図Ａルート）を踏襲してみました。
出発地点はクフル・ラーキブという村です。ここはアジュルン城からイルビッドへ抜ける道路上にあるのですが、アジュルンからはバスがない（昼過ぎにアンマンからクフル・アワンまでのバスがあるだけ）ので、一旦イルビッドまで北上し、ムジャンマ・ゴールというバスターミナルからクフル・アワン行きのバスでアクセスします。
ラーキブ村では、鹿のオブジェのあるドワール（円形交差点）から西へ入ります。ホブス屋などが並ぶ村を抜けると、写真のようにヨルダン渓谷へと流れ込む川が深い切れ込みの沢をなしているのが見えてきます。
沢の斜面には、羊飼いのベドウィンが。彼らはヨルダンでは神出鬼没。こんな山の中に人などいないだろうと思っていると、沢の対岸から見ていたりしますから、うかうか立ちションもできません。目もいいですし。
沢にはベドウィン
なお、ベドウィンは羊追いの犬を飼っていることがほとんどです。犬を忌み嫌うイスラム教徒としては珍しいですね。これらの犬は、羊を守るため、見知らぬ人に吠え、時には噛んで追い払うことも躊躇しないように調教されていますので、不用意に近づかないようにしましょう。ヨルダンは狂犬病はそれほど流行していませんが、発症したら確実に死に至る病気だけに、噛まれたらワクチン接種が必要ですから。ヨルダンの、特に田舎では犬はペットではないということを肝に銘じておきましょう。
沿道にはさまざまな花が咲いています。花びらをつけた花もおおいですが、写真のようなものもちらほら。
また、この辺りはあちこちに岩が露出していますので、そんな岩と、木の切り株なんかも多くみられます。
パスポートor身分証は持っていこう
このルートを含め、ヨルダン渓谷に下がる道路にはすべてチェックポイントがありますので、必ずパスポートか、在住者ならイカーマと呼ばれる身分証を持っていきましょう。バスなら日本人というだけで見せなくてもいいことが多いですが、さすがにカメラなんかを持ってうろうろトレッキングしている東洋人を顔パスするほどには、ヨルダン軍はぬるくありません。
視界にヨルダン渓谷が開けるダウンヒル
チェックポイントを過ぎれば、道路は一気に下りにかかり、写真のように視界一面にヨルダン渓谷が広がります。この道路をそのまま下ってもペラ遺跡には行けますが、せっかくですから写真中央の小高い丘から左側、丘を越えるルートを取ってみましょう。ペラ遺跡の上にあるレストハウスへ出ることができますよ。
下の写真はチェックポイント近くの家の女の子。このくらいの年頃だと、写真を撮られることにもあまり抵抗がありません。むしろ、喜んで撮らせてくれます。
Ｂルートについてはまた今度。
