俗な責任 | 拾い読みあれこれ

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きょ~も適度に息抜き、よいかげん。ゆっくり歩いて遠くまで

日曜の夜もふけて、明日からまた世俗の責任に縛られた平日が始まるのか。休日くらい、俗な責任を忘れて空想に心遊ばせる楽しみ、しかし、その時間はあまりに早く過ぎてしまうな~。

「だいたい人間は・・・、誰しも、この現実の俗な責任と、それに対して反動的な、無責任な逃避を欲するこころと、内心、この二つのたたかいに挟まれて生きているといっていい。」
(林不忘、『丹下左膳』)

上記作品にいう「反世間的な、放浪的な気持ち」というのはいつだって空想にすぎないなあ。しかしこの想念と俗な現実がたたかっている。いやいやながら勝つのはいつも後者だが、ほんとうは「兎(と)もすれば無情を感じ、隠遁を好み、一笠(いちりゅう)一杖(いちじょう)、全国の名所神社でも歩いたら」という気持ちが勝ってほしいが、残念だが、それはないんだ。

貧しい現実だ。