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用件が終って帰り道、電車のなかで、ずいぶんお元気で、周囲を跳ね飛ばすがごとき勢いで行儀の悪さ満開のご高齢の方をお見かけする。私もしばらく先には老いが見える歳が近づいてきたが、ああはなりたくないなあと思った。
「かくては人にもさけてこそ有るべきに、若(わか)うどにうちまじりて、ひとより先にいざり出(い)でつゝ、老いたるものよと、みづからゆるして、人の厭(いと)ふをもいとはず、・・・かたはらいたし。」
(松平定信、『花月草紙』)
この文のように年寄は人前は避けるようにするのが当然とは思わないが、人中にでしゃばって老人であることを鼻にかけ、だから好きにしていいのだと自ら許して、人が迷惑しているのも頓着せずふるまっているのを見るのは、たしかになんともなあという感じ。しかし、そうはなりたくはないと思っても、じぶんの場合は将来、あんなに元気でいられるかと考えると自信はもてないので、そう思わずとも、なるたけ目立たず、行儀よくしていられるだろうと。しかし、元気であるどころか、具合を悪くしてしくしくしては、それはそれで周囲に迷惑かけるかもしらんなあとも思う。迷惑にならぬ程度に元気で目立たず老いを迎えるのは難しいことなのかなと感じながら、その場に居合わせていた。