自粛解除は比叡山から | 朝寝坊弁慶のささやかな交湯録

朝寝坊弁慶のささやかな交湯録

朝寝坊弁慶の由来は、朝寝坊して昼過ぎからのこのこと温泉に出かけていく習性に由来しております。

弁慶はなにかといえば、語呂合わせみたいなものです。

興味の幅がありすぎて、まとまりがありません。最近は京都に住んでいます。気持ち的にはです。

 

始発ではないけれど、とにかく一番早く京都駅に着く新幹線で出発し、琵琶湖線で大津京駅でJRを降りた。京阪大津京駅はすぐ隣だ。

 

※新幹線は換気が良く計算上は6分から8分で完全に入れ替わるというので、京都までは上越、東海道新幹線の乗り換えのみで向かった。移動制限解除後、最初の週末となるので、ある程度の乗客数の増加は予想していたが、9:30発の「のぞみ」の乗車率は、予想をはるかに上回る、8割以上だったと思られる。

 

 

目的地は比叡山なので、琵琶湖線でそのまま比叡山坂本駅まで行って徒歩かバスを利用すれば良いのだが、わざわざ京阪に乗り換えたのは理由がある。それは比叡山延暦寺巡拝チケット4000円を購入する為である。
 
そんなにするの?という価格だし、どれほど得なのかと疑いたくなるが、私も途中まで計算してから購入することに決めた。坂本から入山して横川まで行って八瀬に降るのであればかなり得であるし、乗り換えの度に切符を買う行列に並ぶ手間も省ける。
 
ちなみにチケットは京都駅の観光案内でも販売はしているが、それでは時間も運賃も余分に掛かってしまう。
 
 
 
ところで余談だが、京阪大津京駅にはトイレがない(爆)。
 
終点の坂本比叡山口駅までは6駅もあるが、駅の間隔が短く時間は11分しかかからない。そこからは路線バスに乗り換え、ケーブル坂本駅まで行く。
 

ケーブルカーは毎時00分と30分に発車するので、このように歩いて行くことも可能だし、前回はこれより遠いJRの比叡山坂本駅から歩いたのだが、数分待てば41分発のバスが来ることを事前に調べてあったので、それを待つことにした。
 
 
 
日本一の長さを誇るケーブルカーで山頂を目指すが、乗客はそれなりにいた。座席はすべてケーブル坂本駅方面を向いていて、まずは右手、後半は左手に琵琶湖が見える。
 
 
 
ケーブル延暦寺駅は大正14年の建築である。右手の鳥居は延暦寺無動寺への参道である。
 
 
 
左手には展望台があって琵琶湖が見渡せる。
 
 
 
今回の目的のひとつは右側の無動寺参道である。比叡山の東塔エリアではあるが、別格で南山とも言われている。いわゆる一般的な東塔エリア、西塔エリア、横川エリアとは違い、ここは参拝料を必要とはしない。
 
 
 
参道は無動寺谷にどんどん降りていく。油断すると滑りそうな細かな砂の路面には、しっかりと掃き清められた跡が残っていることで、ここがただの参道ではなく修行の地の参道なのだということが感じられる。
 
 
 
道は緩急はあるがひたすら降り続ける。
 
 
 
降ること約10分。手水舎がある。その奥にあるのが、閼伽井である。「あかい」と読む。
 
後述する堂入りの最中、深夜2時に不動明王にお供えする水を汲みに来るのが、この閼伽井である。そこからも、まだ降る。
 
 
 
約15分降ると、ようやく左手に無動寺 明王堂が見える。手前から手水舎、鐘楼、明王堂である。千日回峰行者が9日間(実質7日半)の断食、断水、不眠、不臥の堂入りを行うお堂であり、深夜に閼伽井で水を汲む以外は堂に籠り、ひたすら真言を唱え続ける。過酷な修行である。
 
 
 
 
斜面の途中にあるお堂なので境内は小さいが、ここからも琵琶湖が観ることができる。手前の屋根は書院の法曼院であり、輪番の大阿闍梨はここに居住しお勤めをするのである。ケーブル比叡山駅からの高さからはずいぶん下った様子が、その角度の違いからわかるのではないかと思うがどうだろう。もちろん、降りたからには登らねばならない。たとえ人生が下り坂に入っていたとしても。
 
ね。