近所のカフェでランチをしていたときのことです。
ビジネスマン二人が横の席に座り、ランチではなく飲み物だけをオーダーしました。
年配の男性と、若い男性。
書類を出して小声で打ち合わせでもするのかなと思っていたら、年配のほうが大声で話し始めたのには驚きました。
「この話はさぁ、君だから話すけどシークレットだからね。
外でベラベラ話すなよ」
そういうあんたの声が周りに丸聞こえなんですけど……と
心の中で突っ込みを入れつつ、何気に聞いていると
たしかに内容はけっこうヤバい(笑)。
どうやら業界の裏話を、自慢げに若い後輩に話しているようです。
それにしてもこのおじさんの話が長いこと、長いこと(;´Д`)ノ
それに、随所に入る自慢たらたらの決め文句、
「俺の家はさぁ、〇〇じゃ知らない人はいないから」も鼻について
横で聞いている私も、さすがにうんざりしてきました。
(ま、人の話を勝手に聞くな、という話ですが……)
後輩とはいえ、相槌を打ちつつ、嫌な顔ひとつせずに聞いている若い男性も大変です。
話の流れから、どうやら同じ会社の先輩後輩ではなく、業界自体が違うんだなと分かってきたころ、やっとおじさんの話が終わりました。
30分はしゃべりっぱなしだったでしょうか、話し終えて満足したのか、おじさんが黙り、今度は若い男性が話はじめました。
「ご質問いただいていたこの商品なんですが……」
えっ!この人営業マンだったの?
このとき初めて二人の関係に気づきました。
おじさんはお客様で、若いほうは商品説明に来た営業マンだったんです。
相手の話が終わるまで、一度も自分の話をしなかったからか、
まったく気づきませんでした!
私の想像する営業マンといえば、大声で自慢話をする社長に
「さすが社長!」
「すごいですよね~」
「〇〇さんなしでは業界は回りませんよ」
なんて、ノリのいい合いの手を入れて、
話を盛り上げるもんかなと思っていましたが
全然違うんです。
ただただ静かに微笑みながら、相手の話を聞き、
たまに「はい」「ほう~」といった短い合いの手を入れるだけ。
話を聞いているときも、商品説明に入ったときも
冷静で、落ち着いたトーンで話していました。
驚いたのは社長の豹変ぶりです。
自慢話のときは、あんなに大声で威張り散らしていたのに、
営業マンの話を聞くときには、まるで立場が逆転したかのように
相手の話に聞き入っているではないですか!
しかも一切口を挟まず、静かに説明を聞いている。
営業マンが話を始めた途端、
まるで教えを乞う、生徒と先生のような関係になっている現状に
思わず横の二人をガン見してしまいましたΣ(゚д゚;)
「この人、会社じゃトップクラスの営業マンなんだろうな~」
できる営業マンほど、営業マンっぽくない。
営業がよく使う言葉を使わないし、
変に明るいわけでもない。
でも、しっかり相手の心をつかんでいる!
この本を読んだとき、カフェであった営業マンを思い出しました。
「できる営業マンはお客様と対等に話そうとしない。
最後までお客様を主役にする」
たしかに、あの営業マンはそういう人でした。
営業職になると、理想の営業マンを演じなければと
無理する人が多いと思います。
だから、こんな言葉をよく使ってしまう。
「お忙しいところすみません」
「ニーズはありますか?」
「社長はいらっしゃいますか?」
「ギリギリまで値引きします」
でも、これを使うと逆効果ですよね。
では、どうすればいいのか、
どんな言葉を使って営業すればいいのか。
具体的に詳しく説明してくれているので
ぜひ手に取って読んでみてくださいね。
口下手な営業マンにこそ役立ちます。