busuu.comに登録した
しばらくは無料で試せるため
その間色々使ってみた

面白いのは
恐らく多聴多読に通じる方法論を
どの言語にも適用している点だ
よって、日本の公教育にありがちな
アルファベットから入るようなことをせず
初歩的なものも含めていきなり理屈抜きで
実生活に登場するような表現を
読ませ、書かせ、喋らせるという
見方を変えればある種スパルタ的とも言いうるやり方だ

他方で、練習課題というか
基本となる教材自体はbusuu.comが提供するのに対して
課題の添削は一般ユーザーが行う
ドイツ語であれば、ネイティヴのドイツ語ユーザーが
ドイツ語学習者がこなした添削課題を添削するのだ
おいらは日本語ネイティヴ・スピーカーなので
日本語学習者が書いた課題の添削を実際に行った

すると

・所詮添削は素人が行なっている→学習者も気楽に接する
・ネイティヴ・スピーカーも人それぞれ→誤りかどうかはっきりしないところを、直す人もいれば直さない人もいる

といった、添削結果の違いも出てきて
これが実に面白いのだ
そうしたこともあって、高い民間語学学校に通うより
実践的、理屈抜き、割安と判断して
busuu.comに金を払ってプレミアム・ユーザーになった

ドイツ語の作文課題はそれでも難しくて
自分で一から文章を書けないものの
英語についてはこれまでの経験もあることから
作文の課題にも取り組んでいる

で、英語の作文に対する添削が実に面白かった

例えば、ある英語の添削課題
旅行に関して自由に作文せよ、という課題だったが
おいらは旅行に行かないってことで
こんな作文を書いた

Honestly speaking, I don't go on a trip, for I'm not rich enough. If I went to however, I would go to a travel agency. I'm not well informed with traveling matters and I have no idea what I should do, so I'd like to ask them to organize hotels, transportation and so on.

今見返すと、If I wen to howeverのtoは
明らかに余計だったと分かるのだが
ここを指摘するネイティヴ・スピーカーは
意外に少なかった
逆に言えば、気にしない人が多いってことだ

他方で、おいらが間違いとは思わなかった点を
添削する人がいることから
正直かなり驚いた点もある

例えば冒頭を添削して

Honestly speaking, I don't go on a trip, because I cannot afford it.

とした方がいらっしゃるのだが
おいらが、付け足し説明のために多用する
接続詞のforをbecauseにカッチリ書き換える添削は
他にも1名の方が行ったが
添削しない方も2名いらっしゃったことからして
接続詞としてのforを使う方は減りつつあるのかもしれないが
それでも半数の人は使うか、自分では使わないにしても
理解できるってことになる

その上でcannot affordは、確か日本の中学で
習うイディオムだか慣用句だか熟語かだかだが
(これら三者の使い分けが日本語でどうなっているのかが分からない)
なんとなく、おいらにはこの表現が
水や光熱費が賄えないといった
生活苦を表す大仰な言い回し、というイメージがあって
おいらはあまり好きになれないため使わなかったのだが
上記のように添削された
ただし、この添削は1人しか行わず
3人はこのままにしていることから察するに
おいらがcannot affordに抱いているイメージの適否はともかくとして
ネイティヴ・スピーカーも必ずしも多用しないらしいことは伺える

また、go on a tripを直さない方が2名いるのに対して
添削した方も2名おり、添削内容が異なるのも面白い

 I don't travel

と直す方もいれば

 I don't go on a trips

と添削した上で、解説として

- When speaking generally better to use plural.

と記した方もいらした

前者の添削は、英語としてはちょっと珍しいかな?
というのも、おいらの勝手な造語(?)だが
英語は名詞中心の言語で、それこそおいらの勝手な推測だが
英語圏における一般意志として実念論より唯名論が優勢であることが
ここには反映しているものと思われるのだが
そこから考えると、travelと動詞に直してしまうのは
英語のネイティヴ・スピーカーとしては
かなり少数派なのではないかと思われる
実際、2人は放置した箇所だからだ

問題は、一般的な事柄は複数形で、と
解説した上で添削した人が1人いらっしゃる点だ
肯定文においてであれば、そうだな

I like going on trips.

と言っても良い気がするが
(動名詞なのは、実際に行ったことがあるという含意を示すため)
(不定詞だと、実は行ったことがないけど行ってみたい、となりかねない?)

否定文で複数形を使うように直すのは
正直ちょっと面食らった

何しろ、否定の際には強調して
「一つも~ない」という場合があり
ご存知のようにanyを付与することがあるからだ
anyは文字通りには「どの~も」という形で
対象が複数ある場合に、その一つ一つについて言及することから
anyの後ろには単数名詞が来るものなのだ

おいらはanyを使わなかったにしても
anyが使われても否定文はおかしくないことから
英語の感覚としては単数名詞と親和性が高いと思っていたため
ここを複数に添削するネイティヴ・スピーカーがいることに
おいらはホントに心底驚いた

添削しているのは言語教育の専門家ではなくて
一般の人達だということを斟酌した上で
この添削の背後に潜む発想をどう捉えるべきか
正直測りかねているところがあるものの
逆に言えば、そこまで神経質にならなくても
結局どちらでも通じるってことなのだとすれば
結構気楽でいられることにもなる

おいらはこういう細かいところが昔から気になりつつ
実際に英作文するときには配慮が行き届かず
後で見返すとかなりおかしな表現を使っていることが
実際多々あったのだが
こうした添削を見ると
そこまで神経質にならなくてもいいのかもしれない
と思えてくる

あと、inform withだが
あいにくおいらは辞書で確認せずに使ったものだ
日本人の感覚だと中学英語の影響で
「~について、関して」の前置詞は何でもかんでもabout
にしたくなるものと思われるが
だからこそおいらは、他に選びようがないか
考えるようにしている

例えば、ヴィトゲンシュタインの著書に
『確実性について』とか『確実性の問題』と訳されるものがあるが
(あいにくおいらは読んだことがない)
英語では"On Certainty"と訳され、前置詞はonだ

また、英語は無生物主語に代表されるような
ある種アニミスティックな傾向があることから
人間が情報収集するという日本語的な発想に対して
英語だと、情報「が」人に近づいたり近づかなかったり
という発想が出てくる

そこでおいらは

I'm not well informed with travelling matters.

と書いたわけだが
(あ、travellingと l は重ねるんだね)
(元々は重ねなかったので2人に添削されたんだよね、ここは)
これは、主体は飽くまでtravelling mattersの方で
おいらはその影響を受けるって形で、受動態にしたわけだ

さすがにこの態を変換する人や
文の主語としてはともかく、人間を主体にする人はいなかったので
この判断は英語的だったものと思うのだが
このinformed withのwithを、2人がaboutに直しているのだ

おいらが思うほど、aboutの多用に神経質になる必要は
案外ないのか???

ともかく、busuu.comをおいらは楽しく使ってます(^^)