漫画雑誌にも本来はしかるべき読者層があって
「少年」「ヤング」といった枕詞に現れているのだろうが
人気漫画ほど長期連載となり
小学生から読み始めた漫画が
大人になっても続いている、なんてことはザラなのだろう
他方で、「少年」誌は本来そういう年齢層向けだからこそ
主人公がせいぜい中高生、というのはよくあることで
『シティハンター』は例外中の例外、なのだろうな

他方で、少年誌を大人も読むことに配慮してか
ギャンブルを扱った漫画も連載されるようになったし
インターネットの影響で匿名でなされるコミュニケーションの相手が
歳の差20歳以上、なんてこともザラになっているのだろうから
大人だから、子供だから、などの理由で
話題を区別することにも意味がなくなりつつあるのかも?
オイラ自身を振り返ってみても
知識の増減はあるとしても基本的な考え方は
中学生の頃から変わっていない気がするし

こんな前フリをしたのは
アニメ『とある魔術の禁書目録』を見直していて
気づいたことがあるからだ
Disk3のディープ・ブラッドに関わる3話は
切ないお話なのだが、非常に残念なのだ

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まず、この3話の敵役である錬金術師が
明らかにロリコンなのだ
まぁ、ロリコンなのはその後も重要な脇役として登場する
イノケンティウス使いにも当てはまる
インデックスが主人公に合わせて15、6歳くらいなのは
原作がライト・ノベルだから、なのかもしれない

ともかく、インデックスの1年周期の記憶消去を
「不憫に思った」からというよりも
そのような運命を背負ったインデックスを
「愛するが故に」救おうとして3年掛けて
ディープブラッドを利用するに至った錬金術師が
インデックスを愛した時(むしろ恋に落ちたとき)
15-3=12で、インデックスは12、3歳
日本で言えば小学6年から中学1年くらいの時ってわけだ
しかも、錬金術師はハガレンのような少年ではないよな?
年齢不詳だが、あのアニメの絵を観れば
いくらアルス・マグナを修める程度に早熟でも
20歳は過ぎてるよなぁ?

もちろん、錬金術習得がどれほど大変なのか?
についてはアニメの中ではまったく説明がないが
名前からして明らかに外国人で
やたら難しくて堅苦しい日本語をしゃべり
それも冒頭には漢字二文字の小難しい言葉
例えば「必然」とか「粛然」なんかを置くほどの
少なくともバイリンガルなのだから
錬金術、語学の習得に相当苦労したはずだし
高校の制服にありがちなブレザーには到底見えない
スーツを着こなしているんだから
30歳を過ぎていてもおかしくはないほどだが
それでもこの錬金術師がインデックスに恋した時点で
20歳だったと、ゆるく判定しておこう

20歳の男が12歳の少女に恋するって
いくら何でも異常過ぎるだろ?
まぁ、嘘かホントか知らないが
教育実習生が女子高生に手を出す不祥事もあるらしいが
それでも実習生は22歳より上だろうし
被害者も15、6歳で
日本の憲法だと16歳の女性なら結婚可能だ
この日本の憲法だって十分異常だと思うが
それでも16歳だ
これと比較すれば
20歳の男が12歳の少女に恋するって
やっぱり異常だ

『とある科学の超電磁砲』主人公のこともあるし
常盤学園(だったっけ?)はせめて高校にして
上条も大学生
インデックスも一応シスターなんだから
やっぱり大学生くらいの年齢にした上で
いっそ錬金術師は60歳くらいの
偉大なる錬金術師とした方が
この3話、まだ「老いらくの恋」として
説得力を増したのではなかろうか?
若い間は研究一筋、恋もしていなかったからこそ
ハマってしまった、という方が
まだ説得力があるのでは?

ちなみに、錬金術師のアルスマグナって
要は思い通りに何でも実現できる能力なのだが
イノケンティウス使いが指摘するように
さっさとインデックスの救済を実現すればよかったのに
できなかったこと
そのため、上条のイマジンブレーカーの威力を
なまじっか想像して自滅してしまったこと
そもそも錬金術師がアルスマグナを発揮する際
針でツボを刺していたことからしても

・信じる

ということがどれだけ難しいか?
ということが描かれているのだが
だからこそ現実の歴史において
嫌でも神を信じさせようとして
その神がどういうものなのかもよく分からないままに
魔女狩りしたり
他の宗教や宗派を武力制圧したりと
実に血なまぐさいこともあり
オイラ個人は宗教をさっさと放棄しなければ
人類はますます不幸を拡大して行くと確信しているが
ルソーを中途半端に取り入れて
宗教を放棄しようとしたフランス革命における
実証主義の影響というか
そもそもオーギュスト・コントが
結局は得体の知れない宗教を
キリスト教とは別に生み出してしまったし
ルソー自身市民宗教を説いていることを考えても
オイラ自身には全く実感はないものの
人類の多数はやはり宗教を必要としているらしいのだから
呪われてるよなぁ
人類のこういうあり方自体が残念だ

中世の魔女狩りのようなことが
現代技術を前提にして行われたら
さもありなん、という描写が
多分に笑いを取り入れつつ展開する
『とある魔術の禁書目録』シリーズは
その意味で実はかなり厄介な問題を扱っているハズだが
ライト・ノベルとして原作が生み出された結果
ロリコンが紛れているのだから残念だ

何が残念って
ロリコンが紛れた話であることに
まともに思い至ったのが
このアニメを初めて観てから数年後だったということだ

それほど深いおいらのバカさ加減も残念だ