今はもうやってないけど
以前GyaOで配信された『とある魔術の禁書目録』ってアニメが
なかなか面白かったので、図書館に原作小説を頼んだのだが
この文体が、何となく変で、時々意味が分からないのだな

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たとえば……主人公の男が出会った女の子に言う台詞に
こんなのがある

「ナニ? ひょっとして、アナタはこの状況で自分は行き倒れですとかおっしゃりやがるつもりでせう?」

分からないのは、最後の「せう?」だ
「ちょうちょう」を旧かなで「てふてふ」と書くようなもので
「せう」は恐らく「しょう」のことなんだろうとは思うのだが
最後の「?」は明らかに疑問符なのだから
どーせ書くなら「せうか?」じゃなかろーか??

どうも、ところどころこういうヘンテコな言い回しが出てきて
読書スピードが上がらず、たかが文庫1冊を一晩では読めなかったのだ
ヘタに勢いに任せていると、この公定だか疑問だか
区別の付かない言い回しを見落として文脈を追えないかも?
という恐れがある上、やたらルビが多いのだな
「幻想殺し」を「イマジンブレイカー」と読ませるくらいはまだよいが
「警備員」を「アンチスキル」とはなんのことやら(^^ゞ
まぁ、確かに追々見当は付いてくる
『禁書目録』の設定では科学的な投薬などで超能力が実現するので
超能力のある学生・生徒が犯罪を起こした場合
発動されるスキルに対抗(アンチ)する存在として
警備員が位置づけられているのかな? 程度には

ただ、このようなワザを使われると
ルビが後々複線として効いてくるかも? という懸念も出てくる為
元の言い回しと施されたルビを見落とさないように
加えて、肯定とも疑問とも着かない、必然性のよく分からない
部分的な旧かな遣いにも留意して読むことになる上
本来の持ち味である科学、超能力、魔術が絡み合った設定を
きっちり読み取っていこうとなると、正直言って

娯楽の為にどーしてここまで頭を使わにゃならんの??

とちょいと腹立たしくもなってくる
アニメの台詞を聞いた限りでは
キャラ特有の言い回しはあっても日本語として理解できるモノだったが
アニメ化に当たって脚本家が相当書き直してるんだろうか?

しかし、この原作小説はきっといわゆるライトノベル
今時の若者にはこういう言い回しってごく当たり前なんだろうか?
だとすれば、そういう若い世代とマトモに意思疎通するのは
オイラにはかなり厳しいかもしれないな

それでも、偏(へん)と旁(つくり)を分割して、たとえば「神」なら
「ネ申」などと書く、無駄に手間が掛かるだけにしか思えない書き方なら
まだ理解できるのだが、助詞の使い回しとなると文法の根幹に関わるからな
そのうち、世代間で日本語文法が変ってしまったり??
古文・漢文だけでも頭が痛いんだから
「新文」なんてのは勘弁して欲しいな、ホント
個人的にはローマ字入力すら撲滅したいんだから

英語で日本語の単語を示すなら仕方がないが
日本語の入力の為にどうしてアルファベットで示す
母音と子音を別々に入力しなければならないのか、意味が分からん
それでもパソコンならキーボードにかなとアルファベット
両方が刻印されているのでまだ許せるのだが
電子辞書やモバイル機器のキーボードは
アルファベットのみだったりするんだから許せない
最上段の数字キーまで省くのは、もっと許せない

だいたい、かなの配列とアルファベットの配列くらい
一度覚えれば済む話だ
かな配列を覚えずに済ませようとするばっかりに
日本語を入力するとき母音と子音を打つ為に
キーストロークが約2倍に増えた状態で
その後一生文字入力し続けることの方が
遙かに無駄ではないか
言い方を変えれば、かな入力を使えば
ローマ字入力の約1/2のスピードで
ゆっくり打てるってことにもなるのだが

……って、なんの話だったっけ??

そうそう、『禁書目録』だ
これで中身がつまらなかったらかなりムカつくのだが
中身は面白いんだから、まぁ、許してやろう

しかし、『禁書目録』には「ロシア成教」って言葉が出てくるのだが
「ロシア正教」じゃなくて???
このくらい、普段なら読み飛ばしているのだろうが
ルビに気を遣っているせいか、気になって仕方がない
内容が十分面白いだけに、こういう小手先、外連で
チマチマした小技が使われているのは、正直残念