まさかGREE傘下のスタジオが鬱ゲーを作るとは。

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GREEの新スタジオ「Wright Flyer Studios」が開発・提供するスマートフォン向けカジュアルアクションゲーム「el」は、美しい世界観と影絵のような幻想的なアートワークが特徴のタイトルです。キャラクターは黒一色で描かれており、不思議な傘を持った男の子が障害物を避けながらゴールを目指すというもの。基本操作はタップとフリックのみで、タップをすると傘が開いて上昇し、閉じると下降。フリックで風を吹かせて前後に移動します。飛んでいると少しずつ傘のゲージが減っていくので、ステージ中にある光る羽を拾って回復させつつゴールを目指します。

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ストーリーは少年が牢獄で目覚めるところから始まります。本作にテキストやゲームの具体的な説明は一切なし。全てが影絵のような幻想的なアートワークで示されます、壁に描かれている羽の絵は何を意味するのか?少年はなぜ牢獄にいるのか?なぜ彼のもとに光る傘が落ちてたのか?そんな疑問が次々と湧いてきます。

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背景の色や障害物のデザインなどは異なりますがだいたいこんな感じです。キャラクターと障害物はシルエットで描かれ、背景は和紙のような質感と色合いで描かれています。何気に遠近感も表現されているのが細かい。ゲーム中もセリフや説明は一切なく、美しいピアノの BGMが流れるだけです。ゲーム自体はそんなに難しくなく、失敗しても2~3回やり直せばクリアできる感じです。海外の雰囲気ゲーは「死にゲー」であることが多く、「せっかく美しいアートワークをじっくり楽しみたいのにすぐに死ぬ」ということになりがちですが、本作ではゲームをプレイしながらじっくり美しい世界観を堪能することができます。

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そしてステージをクリアするごとに少しずつストーリーが展開していきます。例えば女の子に出会うと…

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次は女の子と一緒に飛んだり。

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途中でゲームオーバーになるとどこまで進めたかが表示されます。いつも「あとちょっとだったのに!」というところで力尽きてしまう…

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そしてプレイしていくうちに、徐々にストーリーの背景に戦争の影があることがなんとなく分かってきます。

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赤ちゃんを家族の基に運ぶと…

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そういえば前のステージ、荒廃して爆弾が飛び交っていたような…

ちなみに結論から言うと本作は鬱ゲーです。まさかGREE傘下のスタジオが鬱ゲーを作るとは…結末は賛否両論かもしれません。しかし雰囲気ゲーとしてはかなりの良作です。というか、GREEがこれまでリリースしたスマホ向けゲームアプリの中では一番かもしれません。普通だったらこのレベルのタイトルは100~500円くらいしそうなのに、スタミナ制でもなければ課金要素も一切無く、画面中には広告すら表示されない。本当に一つの「作品」です。iOS/Androidどちらもあるので雰囲気ゲーが好きな人は是非落としてみて下さい。

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