盆栽いじりしてるなめこが好きです

私はよくスマホ向け画像・動画共有アプリ「Instagram」になめこの写真をUPしています。今でこそInstagramは日本でもよく知られた存在ですが、それでも海外ユーザーの方が圧倒的に多く、頻繁に画像をUPしていると自然と外国人のフォロワーが増えていきます。そこで最近ある傾向に気付きました。今までだとなめこの画像に反応する人の大半が台湾人だったのですが、最近は台湾人以外の海外ユーザーもなめこの画像に「いいね!」したりコメントしてくるようになりました。また私はInstagramの投稿を全てではありませんがTwitterとFacebookにも連動させているので、そこでもなめこをきっかけとした友達やフォロワーができます。彼らもまた台湾人ではないケースが増えてきました。

・台湾となめこ
なめこ列車
どういうわけか台湾は人口における「なめこ栽培キット」シリーズのダウンロード率が日本よりも高いという”なめこフィーバー”状態です。もうセブンイレブンで独自のなめこキャンペーンが開催されるやらなめこ列車は走るはで、「方吉」(なめこの英語名「Fungi」の当て字)や「菇菇」で検索すると台湾人がネット上にUPした様々ななめこのデータを見ることができます。現在「なめこ栽培キット」シリーズは日本語、中国語、韓国語、英語に対応していますが、いまのところ韓国や中国本土は日本・台湾ほど盛り上がってはいないようです。なぜ台湾でなめこが大人気なのか?正直その理由は分かりません。しかしYoutubeで台湾でのなめこ関連イベントの動画を見る限りでは、子供や女性だけでなく老若男女ありとあらゆる人々がなめこに親しんでいる様子が見られます。

・なめこの海外報道
実はなめこはWall Street Journalのトップで報じられたことがあります。

Popularity of Mushroom Videogame Grows Like a Fungus in Japan

Why Is Japan So Fascinated With Fungi? (WSJ Live)

この記事では、なめこ人気の背景には日本の森林文化が関係していると分析しています。またスーパーマリオやドコモのドコモダケも例として引用し、もともと日本人はキノコに親しんでいるという背景も紹介しています。なお、このWSJの記事が公開された直後、これを一次情報としたいくつかのなめこに関する英語記事が公開されました。面白いものだとアメリカの農作物系のWebメディアに「アメリカの会社もなめことタイアップしたら?」なんて提案記事が掲載されたり。

しかし、最近Instagramをきっかけに知りあったなめこ好き外国人達を見てみると、なめこと森林文化に関連性はあまりないようです。というのも森林なんて無い国でもなめこ好きが好きな人がいるから。以下はInstagram、Twitter、Facebook、Tumblrなどのソーシャルメディア上で知り合った外国人の属性です。

・イランの既婚男性
Instagramになめこ画像を投稿すると必ず全てに「いいね!」する。嫁超美人&子供超かわいい。超金持ちで広い庭とプールを所有。お父さんと一緒に盆栽を育てている。ちなみにこれが彼の盆栽作品なんですが…

イラン盆栽

全部こんな乾いた感じで苔が一切生えていません。おそらくイランの気候では苔は生育しないのでしょう。苔が無いくらいなんだからキノコが生える森林なんかも当然なし。

・香港人の主婦
なめこの毛布をかぶって寝ているらしいですが(おそらく)偽物…

・フィリピンの女子高生
好きななめこは深海なめこ。というか海系のなめこが好きらしくサンゴなめこの編みぐるみを作っていました。

・タイの女子中学生
14歳。LINEキャラクターも好き。日本のかわいいものと韓流アイドルが好きなごくごく普通の今時の若者。

・タイ人の女性コスプレイヤー
好きな芸能人はきゃりーぱみゅぱみゅ。UPしているなめこグッズの大半が(おそらく)偽物…明らかに公式グッズと顔が違うw

・アメリカの大学に留学中のインドネシア人女性
もともと親日家らしく茶道と陶芸のワークショップに参加していて、なめこの茶碗を作ってたw

・インドネシア人の女性グラフィックデザイナー
大学を卒業したばかりの若いアーティスト。彼女のハロウィンの仮装がムチャクチャカッコ良かったのでついでに貼っておきます。

これはすごい

・アメリカの男性ミュージシャン
ヒスパニック系。住所を見たらアリゾナ州だって。アリゾナに森林なんてあるかよ!他に好きなキャラクターはキン肉マンとサウスパークだそうです。関連性が不明…。なお、彼は上記のWSJの記事を読んで「なめこがハローキティと同じくらい有名になって、世界中どこのショップでもグッズが買えるようになることを願っている」と言っていました。

・アメリカのキティラー女性
ニューヨーク在住。InstagramになめるなめこあめをUPしたら「なんでこれがアメリカでは買えないの?!」って言ってました。

彼らはあくまでも一例に過ぎませんが、どうも森林文化云々とは関係が無いように思えます。だいたいなめこ人気と森林文化に関連性があるなら欧州にもなめこ好きがいてもいいはず。しかし今年7月に「Japan Expo」の取材でフランス・パリに行った際、あれだけ日本ブームでえらいことになっている国であるにも関わらずパリにはなめこのなの字もありませんでした。Japan Expoに行ってもグッズ等を持った参加者は誰もおらず、オタク向けショップに行ってもなめこ関連のものは一切売っていませんでした。またFacebookやTwitter上の欧州人の友達やフォロワーもなめこ関連の投稿にはほとんど反応してきません。Tech系の人々は「モバイルゲーム」というキーワードでたまに引っかかってきますが、なめこというキャラクターを”好き”になる感じではないのです。その一方でイランやアメリカ・アリゾナ州など森林自体が無い地域にもなめこ好きがいます。ではなめこが好きになる人の属性は一体何なのか?…なんとなく「どちらかというと女性」「親日家」「若者」「東南アジアでもいけそう」というキーワードが見えてきますが。

現在はゲームやキャラクターに限らず、コンテンツ全てに於いてマーケティングが最も難しい時代ではないでしょうか。何がどこで誰にウケるのか全く予測不能です。とりあえず私は、なめこが好きな海外の友達の期待に答えるべく今後もなめこ情報を英語で発信しようと思います。(というか上記の人々と全員英語でやりとりできてしまうというのも何気に凄い。中学生とか高校生もいるのに!)


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