家入さん率いるLivertyが新たなサービスを開始しました。

顔面広告.com
顔面広告.comを見て星新一を思い出した

これはその名の通り人の顔に広告を掲載するというもの。料金は1日1万円で、広告の画像を専用のステッカーへ印刷し、担当者の顔面へ掲載(というか貼る)。重要なのはこれ

街で僕を見かけたら気軽に声をかけてください。写真を撮って、Twitter や Facebook に掲載していただければ、ネット上での露出が増え、さらなる広告効果が期待できるかもしれません。リアルかネット、どちらかでみなさまにお会いできることを楽しみにしています。
Aboutより抜粋

1日1万円でこの「話題性」が買えるなら安いのではないでしょうか?しかも今ならリリース直後だし。TwitterやFacebookなどソーシャルメディア上で拡散されることを前提とするならば、「街の中で顔面広告の人を探せ!」みたいなARG(代替現実ゲーム)イベントとからめてもいいかもしれません。

………で、これを見て何かを思い出した。小学生の頃これと似たようなのを誰かの小説で読んだことがある………

…と一日考えて思い出した!星新一の「宣伝の時代」だ!

これに収録されています↓
だれかさんの悪夢 (新潮文庫)/星 新一
¥500
Amazon.co.jp


この「宣伝の時代」で描かれているのは、個人が自分の身体の「あらゆる反応」を広告媒体として売る世界。例えば、中年男性が欠伸をした次の瞬間に疲労回復の栄養剤のキャッチコピーと名前をつぶやく。彼は自分の「あくび」という行為を”広告枠”として販売したわけです。また別の男性は「くしゃみ」を広告枠として売り、くしゃみの後で「風邪にはルキ錠だったな」とつぶやく。他にも、誰かに頭を撫でられるたびお菓子の宣伝をする子供、誰かと握手するたびにコーヒーの宣伝をする男性、誰かとキスするたびにジュースの宣伝をする女性などが登場します。このように「宣伝の時代」では個人が自分自身を広告媒体として提供する未来社会が描かれています。ちなみに書かれたのは1970年です。

さすがにここまでは行ってませんが、「顔面広告.com」とこの「宣伝の時代」の根底にあるコンセプトは同じなのではないでしょうか?個人が自分自身を広告媒体にしマネタイズできる時代。さらに「広告の時代」で描かれる「広告」は、行動と商品が結びついていたり、他者と交わる場面に広告が入っており、なんだかGoogleの広告やソーシャルメディア上での広告を彷彿とさせます。

星新一も未来を見通す目があった人なんだなー…まさに慧眼!と思ってしまいました。