犬神家の一族 通常版 [DVD]/石坂浩二,松嶋菜々子,尾上菊之助

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市川崑監督のセルフカヴァー作品にして遺作。内容はともかくカット割りや構図まで殆ど旧作と一緒。この作品自体「八つ墓村」に次いで映像化回数が多い作品なので多分オチもトリックもみんな分かっています。それでも見てしまう。

犬神家の一族 デジタル・リマスター版 [DVD]/石坂浩二,高峰三枝子,あおい輝彦

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ちなみに旧作の「犬神家の一族」は、まず大衆誌に「連載」され、それが週刊少年マガジンでコミカライズされ、さらにそれが角川春樹の目に止まり角川春樹事務所の第1回映像作品となり大ヒット、その後も続々とドラマ化されたりマンガ化されたり…という国内におけるコンテンツのメディアミックスの先駆的事例となっています。因みにDSソフト化もされています。

犬神家の一族/フロム・ソフトウェア

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で、改めて大人になってから冷静に見ると、”これを映像化しなければ何を映像化する!”というぐらい映像映えする良いモチーフが散りばめられていることが分かります。那須の雄大な自然、湖畔の大邸宅、佐清(本当は静馬)の白マスクとケロイド顔、斧(よき)・琴(こと)・菊(きく)の3つの家宝、菊人形に載せられた生首、湖面から突き出た足etc...その1シーンで強烈な印象を残すものばかり。当初この作品はいかにもおどろおどろしいモチーフを使っていたせいで専門家からは”俗っぽい”作品と低評価を下されていたそうですが、それに目を付けて映画化まで漕ぎ着けた角川春樹はやはり只者ではありません。

ちなみに犬神家の家宝「斧(よき)・琴(こと)・菊(きく)」の元ネタは歌舞伎役者・三代目尾上菊五郎が使用していた役者文様なのですが、この犬神家の一族2006年版で犬神佐清と青沼静馬を演じているのは同じ尾上一門の尾上菊之助氏(父は七代目尾上菊五郎)だったりします。