サービス開始当初からずっと注目しているサービスがあります。それは「Applifier」。

例えば、Facebookの大手ソーシャルディベロッパーが提供しているタイトルをプレイする際、大抵こんな感じのデザインが出てきます↓

仮想空間とか仮想アイテムとか仮想通貨とかアバターとかソーシャルアプリとかソーシャルゲームとかARとかメタルとかなんかいろいろ-Zyngaのヘッド
こちらはZynga

仮想空間とか仮想アイテムとか仮想通貨とかアバターとかソーシャルアプリとかソーシャルゲームとかARとかメタルとかなんかいろいろ-Playfishのヘッド
こちらはPlayfish

これは、複数のソーシャルゲームを提供している大手がよくやる「レコメンド」的自社バナー広告。「うちではこんなゲームもやってるんで是非プレイして下さい!」的なやつです。同じディベロッパーが提供しているタイトルを複数プレイしていると特典が受けられることもあるので(例えばZyngaのMafia Warsをプレイしている人にしか使えないFarmVilleの限定仮想アイテムがある等)、ユーザーの囲い込みに絶大な効果を発揮します。大抵のソーシャルゲームディベロッパーは「仮想空間コミュニティ系」「農業系」「ペット系」「水槽系」「宝探し系」「マフィア系」「レストラン系」「街作り系」あたりの定番はだいたい作っているので、自社ブランドでユーザーを囲い込むことが重要になってきます。しかしそうなると、そんなに複数のタイトルを提供していない、せいぜい1タイトルが2タイトルぐらいが精一杯な独立系ディベロッパーはどうすればいいのか?ユーザーを全部大手に囲い込まれてしまうじゃないか!ということになってしまいます。

で、この「Applifier」が重要になってきます。

こちらはApplifierのトップページ

仮想空間とか仮想アイテムとか仮想通貨とかアバターとかソーシャルアプリとかソーシャルゲームとかARとかメタルとかなんかいろいろ-Applifierのトップページ

これは独立系の小規模なソーシャルゲームディベロッパーが、Facebook上でユーザーを”流し込み合う”サービスです。各ソーシャルゲームへの誘導広告をサイドバーを共有するというスタイルで、海外では「Zyngaに対抗する連合軍」的な表現で取り上げられることが多いです。このApplifierに掲載されているタイトルは、さすが独立系だけあって定番タイトルとは一風変わった個性的な内容のゲームが多いのが特徴です。私が今まで見たのは、半魚人を育てるペット育成や、ホラーに特化した仮想空間コミュニティ、車系コミュニティ、アーティストから公式に音源の権利許諾を受けた音楽系ペット育成など。

このApplifierのCEOも元々はFacebook上で仮想空間系コミュニティ「Kamu World」と街作りソーシャルゲーム「Kamu Town」を提供していたのですがぶっちゃけ全然パッとしませんでした。しかし後から始めたApplifierがスマッシュヒット。ついさっきTechCrunchを見たら200万ドル資金調達を行ったとのこと。

これと同様のサービスはおそらく現時点ではまだ日本にはないでしょう。また、ソーシャルゲームのプラットフォーム自体乱立している現在の日本において、個性的で面白いタイトルなのに大手に押されて埋もれてしまっているタイトルも相当あるはずです。