金曜のバカ (角川文庫)/越谷 オサム (著)
¥540Amazon.co.jp

【天然女子高生と気弱なストーカーが繰り返す、週に一度の奇天烈な逢瀬の行き着く先は―?(「金曜のバカ」)
「また、星が降る夜に逢えたらいいね」―流星雨の夜に出会った少女が残した言葉が、今胸によみがえる。(「星とミルクティー」)
不器用だけど一途な思いを抱えた“バカ”たちが繰り広げる、愛と青春の日々。
何かを好きになった時のときめきと胸の高鳴りに満ちた、ほっこりキュートな傑作短編集。 】
(アマゾンから引用)

■ 感想とか色々

金曜のバカ
女子高校生vsストーカー(元ひきこもり)
元ひきこもりの変質者がよかった(笑)、いやひきこもっていた割にはあっさり社会復帰(?)しているので、おお……! となった。アルバイトできるってことは人と喋れるんだろ!
女子高校生は援助交際雰囲気を出してたから逆に違うんだろうなあと思っていたら予想通り違ったのでなんだか嬉しかった、自衛官上がりの怖い長男に娘を売った末っ子、には笑った(笑)
ぶはってなって楽しかったー いいなー

星とミルクティー
SF(少し不思議)話
1度だけ出会い、星の話をして、星を見、そして別れた女の子の、手にあった星のあざ
恋でも愛でもなく、友情じみたものや、それに準ずるものでも、仲間や味方や同士ですらないのに、残ったものっていうのは、ずっと、残るのかな

この町
そんな嫌わなくてもよくねえ!?
となりながら読んでた、「坊ちゃん」でこきおろされている場所での話
なんで、そんな、嫌いなのー。いいじゃん! こっちだってな! 道ぐねぐねしてて、道沿いに歩いてたってゆるーく曲がってるから、変なとこ出るんだぞ、まっすぐ行っているつもりで真っ直ぐじゃないんだからな余計迷うぞ、でもそういうの込みで味だろ、ポンジュース美味しいじゃん! 山と海があるだけで「おおー!!!!」ってなるからな!!
高校だか中学だかの保健の授業でゴムの話するのはセーフティセックス(なんか一度として使ったことのない言葉が出てきたんだけど! 多分授業でやった言葉のはず)の問題じゃねーの!?
彼女と夜行バスで東京まで行こうとする話
出て行った方も、残った方も、なにも思わない、ということはないんだろう
世田谷の美術館といえば長谷川町子さんしか思い浮かばないのですが他にもあったんですね

僕の愉しみ 彼女のたしなみ
恐竜オタクの話(笑)
1人目の彼女に2週間で振られちゃったのは、愚痴ばっかりだから、だよ…な? というかわたしはそう取る。
好きだからこだわるし、好きだから正確でありたい、と思うのはあるけど、だからって愚痴ばっかりはなあ、と自省しながら。
「たくさん見たね」
「たくさん見たね」が可愛すぎて…! なんだもうあれ! 可愛いな! 可愛いな!!
同じ言葉をただ繰り返しているだけで、前半の雰囲気悪いときとしていることは同じなのに意味が全く違うとか、素敵すぎだろ…
ああもう可愛いな! なんだかこっちまで嬉しくなってくる、可愛い可愛い可愛い。
話を振られたり、聞かれても、どうなんだろうね、と話を濁すだけで、本音は地の文に。
外部生通しで、電車が同じことを理由に近付いた女の子は、月曜日だけはゆっくりで、他の日はなんだか急いでいる。


ゴンとナナ
変な話、「無所属」はクラスに2・3人いるものだと思っている(笑) クラス全員グループ所属もあるだろうけど。
吹奏楽部を辞めてしまったナナに、辞めた原因でもある後輩がもう一度やりませんかと誘いに来る
あの子は女優だった(笑)、ゴン(ナナの飼い犬)視点でも女優だったけど、あの子出てきてがらっと変わったなあ。
ゴン視点で話が終わり、この本も終わるので、ガーッと〝バカ〟な話が続いてきて、最後だけしんみり終わった

装画はあらゐけいいちさん!
表紙が素敵! これは一目惚れに近い。
越谷さんだったので短編集でも読むぜー