絵画の住人 (メディアワークス文庫)/秋目 人
¥599Amazon.co.jp

【国分寺駅から徒歩数分のところに、隠れ家のような画廊がある。
名画の複製ばかりが飾られている、その小さな画廊には、ある特別な秘密が隠されているらしく――。
高校を中退し、バイトで食いつなぐ諌早佑真は、ある日、美しい少女に導かれ、AOKI画廊へと足を踏み入れる。
絵画には興味のない彼だったが、画廊のオーナーから頼まれ、雇われ画廊主を務めることに。
しかし、働きはじめた佑真は、すぐあることに気づく。
この画廊の絵、生きているんじゃないか…。】


■ 感想とか色々

引っ越しのすったもんだで紛れていた絵画を返しに複製専門の画廊AOKIに行き、その流れで、前任者の本間が亡くなり、絵も好きではないし知識もないのに雇われオーナーに
抜け出てくる「絵画の住人」、偏屈な平蔵や名無しの少女、毎夜銀貨を数えるユダ、黙り込む少女、同世代の来客と遊ぶ物言わぬ子供たち

高校中退を余儀なくされ、ネットを遠ざけ、耳栓をし、「魅入られた」諫早の、一週間
「絵画の住人」大好き片西さん、説明役の眼鏡で美大四年・鳥井さん、鳥井さんと同じ芸術学科の佐藤さん、アニメ大好き甘野さん

宗像さんの絵画嫌いは面白かったし、犯人捜しをした理由も諫早の過去と合わせてのことなんだろうけど、どうも……。
諫早自身が他人と関わろうとしていない
要はお悩み相談だったり使い走りだったり鑑定のお話なんだけど、不安定っちゃ不安定なので飲み込まれそうになっていて困る
名前付けゲーム。付けられた方は忘れていて、付けた方(の息子)が覚えている。
加害者の家族の話でもあったし、絵の統一性だとか、贋作と複製だとかの話でもあったけど、なんだかよく解らんかった。
絵にのまれる人の話とか? 


作中の名画ギャラリー/これ以外にも最後の晩餐とか贋作とかは出て来る

フィンセント・ファン・ゴッホ
『ひまわり』
1889年1月作 フィラデルフィア美術館所蔵

ポール・ゴーギャン
『肘掛け椅子のひまわり』
1901年作 ビュルレコレクション

ウジェーヌ・ドラクロワ
『怒れるメディア』
1836年~1838年 リール市立美術館所蔵

ヨハネス・フェルメール
『真珠の耳飾りの少女』
1665年~1666年
マウリッツハイス美術館所蔵

オディロン・ルドン
『キュクロプス』
1914年作 クレラー=ミュラー美術館所蔵

メディアワークス文庫で絵画ものだと「不思議絵師 蓮十江戸異聞譚」を前に読んだ
この話を「意志を持つ絵」だとするなら、「意志を持つ花」だと「花の佳音」とか(擬人化と言えれば早いのだけど、花はともかく絵は擬人化ではない)

イラストレーターは24さん!
好きー
騙王はいつですかあああああああ