静かな黄昏の国 (角川文庫)/篠田 節子
¥620Amazon.co.jp
【環境破壊と貧窮のうちにゆっくりと滅びつつある近未来の日本。
老夫婦が辿りついた理想の“終の棲家”とは(表題作)。
現在・過去・未来にわたり、すべての生きとし生けるものに等しくやってくる終末の風景を、時に叙情的に、時に黒い笑いを交えて直木賞作家は描き出す。
もしかしたらそれは、明日のあなたのことかもしれない――甘美な破滅と残酷な救済が織りなす、8つのものがたり。 】
(アマゾンから引用)
■ 感想とか色々
リトル・マーメイド
白魚の踊り食いは、むり、です
本来は観賞用の魚を食べた人の話
爆発的に広がったり、爆発的に溺死したり
最初の生きたまま食べるで「うわああああ」ってなった、いやほんとビチビチいってる魚とか無理
最初に食べた青年が意外と生き残っていた
陽炎
笛の音の話
音が良くなればと民族研究をする人
憑りつかれた? 〝笛〟はこのあとにも関係する話があるけど、関連性はあるのか
一番抵当権
男が清々しくサイテーで「あ、うん」と思った(笑)
ここまで清々しく駄目だとむしろイラついたりしない不思議、言い訳すらしねえ
これ悪いと思ってないんだろうなあ、いやある意味楽しい人だった
お金貸してもらってばっかりで開き直っている人
治験は一度調べてみたけど採血苦手なのでやらないと思う
エレジー
永遠に結びつくことのない恋を僕はした。p118
そのままのお話です、この場合恋をしたのはチェロなのか音楽なのか
いつまでたっても上達しない男を、順序良く上達する人視点で
棘
サボテンを彼女だと言い張る男の話
あー本物? フラれた? どっちだろ。
視点であるバイト先の店長もこの人もどちらも真剣だった
子羊
スクリーンの世界は暴力と貧困の世界
わたし達は争うことなく満たされていて、他人の生のために生きよと教えのもと育った神さまの子供達
一世代限りの詩人たち、笛を吹きに来た醜い男
ホワイトクリスマス
ギャルゲーのノベライズを頼まれた貧窮小説家
この男も「一番抵当権」と同じように清々しく駄目なんだけどいっそ清々しすぎて「これがこの人の生き方なんだろう」と思ってしまう
感化されやすいことを純粋と言うならこの人はとても純粋だと思います
題名の割にゃ赤いな
静かな黄昏の国
表題作が最後だった
チューブだらけで生き長らえるくらいなら本物に囲まれて充実した死を
ということで薄々わかるけど〝森〟の中へ行くことになった老夫婦
他のご夫妻との交流や、いきなり出てくる鼻血、一体の様に寄り添う鹿、宇宙服を着た医師
漠然とした四大公害病とイメージの話になるけど、動物の突然変異や体調の変化は重金属でもなりやすそう、しかし宇宙服が出てきてダメ押しで黄色いマークだったので放射線
衰退した日本で核燃料サイクルは完成し電気だけは自給できるとかなんとか
「本日を以って、生存者0」と書いた人は誰だ、監視カメラでも動いていたのか?
「子供たちの社会科見学のコースはその時代を象徴する花形産業」で、平成は半導体、昭和は自動車工場って書いてあったが、これ本当にそうだった?
全体的に〝怖い〟話が多かった、どれも好きですが特に好きなのは「リトル・マーメイド」と「棘」かなあ、次に「ホワイトクリスマス」