神の子どもたちはみな踊る (新潮文庫)/村上 春樹
¥515Amazon.co.jp

【1995年1月、地震はすべてを一瞬のうちに壊滅させた。
そして2月、流木が燃える冬の海岸で、あるいは、小箱を携えた男が向かった釧路で、かえるくんが地底でみみずくんと闘う東京で、世界はしずかに共振をはじめる…。大地は裂けた。神は、いないのかもしれない。
でも、おそらく、あの震災のずっと前から、ぼくたちは内なる廃墟を抱えていた――。深い闇の中に光を放つ6つの黙示録。 】
(アマゾンから引用)


■ 感想とか色々

おお、なんか好きだったぞ
正式に名称が出てはいませんが、1995年1月、地震、神戸、とは出ていた

UFOが釧路に降りる
マジで!? てUFOにワクワクしてたら え… 降り…た……? くらいだった(笑)
テレビから離れない妻、一週間の有給休暇を取ったときに同僚から託された小箱
詰まっていたものと詰まっていったもの。北海道まで行く。
その同僚の妹さんが泊まる所を手配してくれるっつってたけど結局ラブホとか。え…… ちょっと待っていやまあうん え? 豪華とかそういう問題なの? これが気心の知れた友人とかならまだ別かもしれないけど、初対面の「兄の同僚」でラブホってアリなのかとグルグル回ってました。


アイロンのある風景
流木を燃やす話
湿った木って燃えんの? それとも海岸についてから日光にさらしたとか?(日光にさらしたら燃えるかどうかは知らんが)
火の向こうになにが見えたかは知らない


神の子どもたちはみな踊る
ちゃんと避妊をしたはずなのに生まれてきた息子善也と、「お方」を崇拝する母親との話
母と同じようにお方を崇拝していた田端さん
あー…、聖母マリアは処女懐胎だっけ、そういや日本神話で処女懐胎聞いたことねーなと思った(木ぐるぐる回ってるのは古事記か)、ら、wiki「処女懐胎」に「交接に由らない奇抜な方法で子作りを行っている」とあってうけた。奇抜って。
「邪念を抱いていたのはあなただけじゃない」の一文が好きです
祈っても助けてくれない神さまに祈ってどうするんだろう、なにかせずにはいられないのか、人事を尽くして天命を待つとはいえど落ち着かないのは落ち着かないし。


タイランド
ノルウェイ仕込みの英語を話すタイ人が運転手
さつきさん視点で機上でのことと観光でのこと
ん、ニミットさん、なんか、好きだぞ! 最初ニミッツかと思ってちょっとびっくりした。


かえるくん、地球を救う
かえるくん、ミミズと戦う
です(笑)
かえるくん可愛い。融資したお客さまからお金をいただきに行く男の人視点で。
かえるくん可愛い。妙に礼儀正しいぞこのかえる。


蜂蜜パイ
小説を書き続けている男と、結婚した大学時代の親友2人の話
中々寝付かない親友たちの娘、沙羅への寝物語
ああ…、うん、結構好きかも。
あっけらかんとしているし、さっぱり、さっぱり? 言い淀んでいることが少ないので、結構好き。

読んだきっかけに東日本大震災は一切含まれません
この一文を入れることが意識はしていることと同じでそれを否定できない自分にイラッとは来るけど


装画・挿画は北脇昇さん(東京国立近代美術館所蔵)
デザインは新潮社装幀室さん
北脇さんの素描好きかもしれん! 蜂蜜パイいいなー…、アイロンのある風景の装画も好きっ