嘘月 (講談社BOX)/杉山 幌
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【生徒の「能力」の研究・開発を目的とする高校・織乃学園。
中でも数人しか居ないSランク特待生である猫目の美少女・瀬谷伊音は、何の能力も持たない「おれ」こと佐々木理久を妙に敵視している。
理由は理久がみんなに吐いている、ある『嘘』…。
そんな中、「異常者の集まる織乃学園に罰を」という血文字の落書きが出現して―!?
『嘘』が分かる彼女と、みんなを『騙』しているおれ――ふたりの微妙な関係は、学園に潜む悪意に呑み込まれていく。 】

■ 感想とか色々

>「異常者の集まる織乃学園に罰を」という血文字の落書きが出現して―!?
とはあるけどさっさと解決します
人の嘘が解る瀬谷と、ある目的のために学校に通う佐々木
佐々木の友達は江田敬太郎(イケメン)、坂本橘花(腐女子)で、瀬谷が唯一懐くのは鈴ちゃん先生

基本は佐々木・江田・坂本・瀬谷で、ちょいちょいプラスされていく
学園内での出来事とが中心だし、ウサギ小屋だったり体育着盗難だったり体育祭だったり文化祭だったり。
ちょっと芝居がかってるなあと思う所もあったけど、「目の前で人が死ぬとは思わなかった」のと同等に「瀬谷が自分に対して嘘をつくとは思わなかった」が好きだった
保健室の魔女や幼馴染といった女の子に囲まれてはいるけど、そこそこいい奴だし、そんなイラつかなかった
それよりかは幼馴染の和合那由多の方がムカついた(笑)
彼女の能力は他人の好意を量と質の面で見れるものです、だからって他人試してんじゃねえよと
「でも減ってた!」と彼女は言ったけど、そりゃ減るよと思った(笑)
目の前にいない人間のことを考えるのってよっぽど好きじゃないとしないだろ
で、すっげー好きな子限定であれば会えない期間が長かろうと好き度は減らない。その子のこと考えてるだけで結構幸せ。
減っていようが、好きな子と偶然会えたら嬉しいよ、相手がそう思ってくれていればもっと嬉しい。
「好きだから今会って幻滅したくない」はある、これが自分勝手な意見であることも知ってるけど翻す気もない。
まあ佐々木がどう思うかは知らんが。
あのさあ、佐々木が和合のこと好きだろうが好きじゃなかろうが、和合が佐々木のこと好きなのが変わるんじゃねーんだからピーピー言うなよ。
そりゃ妬ましいのもあるし佐々木が不義理だったのもあるだろうけど、君たちが学ぶのは能力の使い方より抑え方と意識の逸らし方な気がする。


異能者が集まる織乃学園、とはいっても、出て来るのは五感か他人の状態を読み取るかの二極で、もう少しバリエーションあって体系化されていれば面白かったのにな
沢田さんと瀬谷の伏線もなかったし(出掛けるとか休日の曜日とか)
友達作りでもあったし、嘘の話でもあったけど、最終的には「隣」の話だったのかな、最後でぼやけたなあれ

イラストレーターはキナコさん!