RINGADAWN - 妖精姫と灰色狼 (C・NOVELSファンタジア)/あやめ ゆう
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【伝説の妖精の血を引く王家が統治する美しき妖精郷スシォルロント。
裏町にくすぶる灰色狼はある日、妖精姫リエルの危機を知らされる。
突然の襲撃にひき裂かれて五年、幼い日の二人の誓いのために闘い続く孤立した姫のために灰色狼は駆ける――第7回C・NOVELS大賞特別賞受賞作。 】


灰色狼のガウスを分類上「嫌い」に押し込む理由は「女性にあんな台詞言わせる男は好かん!」(byP239)というそれだけです、結構本当に、多分それだけです。
妖精姫のリエルを分類上「嫌い」に追い遣る理由は「今回の策で死んだ人間にそれを言える?」(byP199)というそれだけです、大分本当に、多分それだけです。
なので、どこかで何某か難癖付けて嫌いたかったんだろうなあ、と思います
ふたりともお喋りだったからかな、お喋りな男も女も好きじゃないのかね。
しかも二人とも本気で遊んでない。あれは遊びに見せかけただけ。
今のところ、統治者、とりわけ国王・女王と、王位継承権上位の人への最大の賛辞は「その国で死にたい」です、「その国で生きたい/住んでみたい/行ってみたい」とすら思わなかったので統治者としても興味がない
妖精ははっちゃけ具合が足りなかった、もっとパッパラパーなら好きだよきっと!
そもそもあの国の成り立ち自体無茶があるだろ。
第一王女は妖精とされ、王子は生まれず、王位はいつも外からやってくる、(経済)植民地まっしぐらな気がするんですが、価値がないから放って置かれた? 戦争するときの先発部隊にすればいいんじゃね。

フランデが女である理由がなかった、あれを男にするか、フランデの嫉妬云々を全く除けばまだ違ったかも、いらないだろあれ。
高嶺の花である妖精と居場所のない灰色狼の間に侍女の居場所ねーじゃん!
なんだよなんだよジーン兄弟も妖精ばっかでさ! 駆けずり回ったの誰だと思ってんだよフランデじゃん! 姫さん大好きっ子じゃん! 護衛のユベイルもガウスと仲良くなっててさー!
フランデは「私たちは彼に信用されることを、何かひとつでもしましたか?」(P66)が好きです、ストイックな女性も好きなんだよ!
脚触ってんじゃねーよガウスなんて羨ましい!!!
フランデが報われなかったのが嫌、途中で「姫さま以外なにもない」みたいなことをしておきながら……
姫さんも灰色狼に殺しの依頼するなよー…
「俺は殺す方。あんた(ユベイル)は護る方」を2回くらい言っていた、狼も最後守る方に回ると思ったんだ!
居場所がなくても、傍にくらいは寄れるでしょう、境界線を自分で引くなら、せめてその境界線まで行けよ、こういう奴は頭がくがく揺さぶられて泣いてしまえばいい
すかした男が本気で焦っている様子をせせら笑うのが好きです

増えていく仲間に出番付けようとしてページ不足? うーんでも結局はこれ妖精と灰色狼の話で、砕けた口調の護衛騎士とか、途中で裏切ってついてきた馬鹿力の男とか、姫に紅茶を入れるのが好きな侍女とか、ジーン兄弟の出生や父親や貴族としての気構えとか、そういうのって、なんか、そんなでもない
詰め込んだなあとは思うが、そのひとつひとつ自体は楽しかったんだ、にーちゃんいい奴だし。
フランデによるにーちゃんの評価が「貴族には貴族の価値観がありますから。貴族の言葉でなければ、貴族には届きません」ていうのが好きだったんだ
灰色狼や妖精や騎士がやろうとしても出来ない、にーちゃんの弟も無理じゃないかなあ
彼は最初こそガウスを殴るといういわば悪役をやったけれど、ちゃんと学んで考えた、弟がどうしてガウスに対して優しいのかも含めて
貴族であるだけで貴族として誇り高いわけではない、それを知っていて尚その地位に相応しくあろうとして、その世界にいようとするなら、あのにーちゃん結構好きだよ
フランデが大臣っていうのはないなあ、精々補佐官や意見役だろうに、役職付けてもその下にいる人間が納得しないなら上には立てないし、そんな能力があるとも思えない

全3部作の1巻
つまりあれだろ王位簒奪? でいいのかな?
地図があるのでうれしかった
女性の微笑む姿っていうのは「微笑み」と「うっとり」だけじゃないですけどね、そういえばガウスは「にやり」が多かったな


イラストレーターはBUNBUNさん!

読んでいる間中、なんでか、漫画『フルーツバスケット』の何巻かで透くんが紅葉達にタオルケットをかけるシーンが浮かんでた
遊び疲れて雑魚寝する子供達が寝冷えしないようにタオルケット(多分)をかけながら微笑んでるところ
そうですよ途中まであの狼がちゃんと休める場所があればいいと思ってましたよガウスは好きじゃねーけど狼は好きだから