空ろの箱と零のマリア〈3〉 (電撃文庫)/御影 瑛路
¥641Amazon.co.jp

【「お前、“O”と関わっているだろ?」
クラスメイト・大嶺醍哉が、星野一輝に向かって発したその言葉は、新たな“箱”への入り口だった。
気づけば一輝は音無麻理亜と共に、“騙し合い”のゲーム―『王降ろしの国』のプレイングルームにいた。
中世風の職業に就き、一度の面談を介し行われるそのゲームの勝利条件は、他プレイヤーを殺して生き残ること。
つまりこれは、“殺し合い”にまみれた狂気のゲーム。
“箱”に願い、この空間を作り上げた“所有者”の正体とは…?緊迫の第三巻。 】


よく泣く女は信用しないことにしていますので

■ 感想とか色々


ゲームの仕掛けは面白かった!
ゲームが終わるともう1回プレイヤー同じで繰り返すので、1巻の「繰り返し」でもあるのかなと思った、その場合、前回のゲームの記憶は継続してるのか? とちょっと不安だった(マリアと星野くんの両方の記憶が継続していればいいんだが片方だけ消えてると1巻再来なので)
ゲームの名前は「王降ろしの国」、「王」「王子」「影武者」「魔法使い」「騎士」「革命家」の六つの役。
それぞれに特徴と能力がある。
「食事は1日1回だけでOK、しかし食事を切らすと(食料がないと)すぐにミイラ=ゲームオーバー」や「携帯端末に送られているタイムシフトの前後五分以内にその通り行動しないと首切り=ゲームオーバー」などの制限もあり。
正直、役のルールはウィキペディアでどうぞと言いたい、言いたいがしかしウィキに本作品のページ自体はあったがルール載ってなかった
というわけで、ゲーム1回目、「切れると喋りが流暢になる語彙の少ないクマ」が提示した役割別の決まりと「密談」とかだけメモ代わりで一番下に書いときます
「ルール」以外の記載は記憶便りです、わたしの記憶ほど胡散臭いものもないので、合ってたらラッキー
その記憶力のあやふやさは、「魔法使い死亡後の騎士の斬殺ってシフトタイム守らなかったときの殺され方と一緒だからそれ見分けつかなくね?(疑心暗鬼ばんざーい!)」と思ったら途中で時間差らしいことが分かった、くらいにアレです


出てくるプレイヤーは、新藤色葉、神内昂大、柳悠里、星野一輝、マリア、大嶺醍哉
星野くんの大嶺の会話の反応からすると心音が関係しているようですが心音、陽明、茂木さんはゲームに出てきません

3巻はいわば問題提起なだけなので解決はしません、まだゲームの中にいます
願いの名前は「怠惰なる遊戯」。所有者は大嶺醍哉。
「意味のない殺し合いをしようぜ?」だそうです。
正直、これだけならばいいんだが、なんでてめーの暇つぶしになんか付き合うんだよ意味が解らん利益がない楽しそうでもない俺が死ぬくらいならお前が死ね☆ と思いましたので大嶺くんは嫌いです(詰まらないから)
もしゲームを発動させた(=現時点での箱の所有者?)が大嶺ではなかったとすると、どこからどこまでの星野の記憶が「箱」によるものなのか、ゲーム発動前の記憶をわざわざ保持させたのか、とかが解らん
タイミングと言動的に大嶺だろ(根拠ない)とは思うんだが、ゲームに引き込まれる以前に箱が開いていたとなると最早疑心暗鬼パーン
「事実と前提」が崩れると途端にダメ。この場合の事実はマリアと星野の会話くらいなんだな、情報少なすぎてみんなポンポン仮定して想像するからついて行けない。でもなんでか1回目で神内が王さまなのと影武者は当たってた。
もし大嶺がゲーム発動者じゃないなら「箱ってもしかして2個あるんじゃね?」くらいに彼を疑ってます(笑)
2回目の神内昂大を「あ、こいつ所有者かも」と思う程度には簡単に揺らぎます、だってあいつこのゲームが作られた目的を満たしてるんだもん(笑) あのゲームって一応大嶺が言ったことを真だとすると、「楽しんだもん勝ち」だろと思っています、暇つぶし・退屈から生まれたゲーム。

よく泣く女は信用しません、今回では柳さんです
その涙にほだされてる男も信用しません、ので星野くんは今回その他の面でも残念極まりなかった
中学時代の初恋の人も回想シーン(?)で出てきます、うん、気持ち悪い
これは無理だ☆ と笑顔で思えるくらいに無理です、気持ち悪い…
柳さんとこの初恋で、読み終えられないかと思った
陽明・心音・醍哉が幼馴染っていうのがこういうお話では珍しいなと思っていたのもある(確か星野と陽明は高校から。醍哉・心音が幼馴染なのはまだ解る、しかしこいつらそんな仲良さげには見えないんだよなあ)
まだ地味に神内のが良い。
あいつなんの筋も背骨も通ってないクラゲみたいなやつなのに「だって惚れた女だし」でいろいろやってくれちゃってて楽しい! その女の命がどうでも良さげなのも楽しい!
柳さんは、なんというか、ありえない。
1回目のとき「革命家」(単独での他のプレイヤーを殺せる)は柳さんぽそうだな、と思った(当然根拠はない)
新藤さんのように超人でも、マリアのように聡明でもありませんが(例に出すだけで失礼にあたる)、アレを信じる人間っていうのは信用できない、ああいう非常事態にもちゃっちゃと喋らない子。


なんでマリアに箱の能力があること知ってるの? とは思った
それとも知らずに封じたのかな… 謎だ
星野くんはない、マジでないあの子気持ち悪い、2巻でも思ったがこの子の日常の定義が解らん
マリアはかわいいし賢いから、星野くんももっとカッコよかったらよかったのに!


イラストレーターは鉄雄さん!

ルール
※ただし各役のエピソード(騎士は王を憎んでるだとか影武者は元農民で王子嫌いとか)は省きます、もしかしたら勝利条件以外の本編に関わっているかもしれませんが省きます


☆【王】

【王】の能力
【謀殺】
殺したい相手を選択し、【魔法使い】ないしは【騎士】に実行を依頼できる。選ばないこともできる。

【入れ替わり】
一日のみ【影武者】と入れ替われ、【暗殺】対象から逃れることができる。入れ替わった日に対象にされていた場合、【王】の代わりに【影武者】が死亡する。

【王の勝利条件】
王の座を守ること。(王の座を脅かす【王子】、【革命家】の排除)


☆【王子】

【王子】の能力
【対魔術】
【魔法】による攻撃では殺されない。

【王子の勝利条件】
王になること。(【王】【影武者】【革命家】の排除)


☆【影武者】

【影武者】の能力
【引き継ぎ】
【王】が死亡した場合、または【入れ替わり】が実行された場合、【謀殺】ができるようになる。

【影武者】の勝利条件
自分を殺そうとしていいる人間の死亡。(【王子】【革命家】の死亡)


☆【魔法使い】

【魔法使い】の能力
【魔法】
【謀殺】により選ばれたキャラクターを、実際に殺すか決定することができる。実行されたキャラクターは焼死体になる。

【魔法使い】の勝利条件
生き延びること


☆【騎士】
【騎士】の能力
【斬殺】
【謀殺】により選ばれたキャラクターを実際に殺すか、決定することができる。【魔法使い】が死亡した場合のみ、実行可能。実行されたキャラクターは、首をはねられ死亡する。

【騎士】の勝利条件
復讐の完遂(【王】【王子】の死亡)


☆【革命家】

【革命家】の能力
【暗殺】
指定したキャラクターを【暗殺】することができる。選ばないことも可能。実行されたキャラクターは絞殺死体となる。

【革命家】の勝利条件
自らが王になること(【王】【王子】【影武者】の殺害)

*生存者の勝利条件がすべて満たされたときに、ゲームが終了する


(p68~73、一部抜粋)

配給品(麻袋の中身)p44・45参考
ボールペン
メモ帳
水色のデジタル時計
固形の食糧が七つ
携帯端末機
ナイフ
(プレイヤーごとに時計の色は違う)

・タイムテーブルは時間厳守。破ると【失格】(=強制処刑。首切り)p67
・麻袋にあった固形の食糧は1日1個摂取でセーフ、1日食べないとアウト=ミイラp68
・該当者は自室のモニターにコマンドが表示。スイッチを押すと実行。p74
・p77のタイムテーブルめんどくさい……あああああああ

~12<A>   休憩・自室で待機
12~14<B> 大部屋に集合
14~18<C>
 ・14時40分までに【密談】相手を選択。選択した相手の部屋で30分間過ごす。
 ・【王】は【謀殺】する相手を選ぶことができる
 ・【魔法使い】は【魔法】(【騎士】は【斬殺】)を執行できる
 ・【魔法】【斬殺】対象になったキャラクターは17時55分に死亡
18~20<D> 大部屋に集合
20~22<E>
 ・自室で食事。この時点で食事がないとミイラ化し、死亡。
 ・【革命家】が【暗殺】を実行できる。【暗殺】対象になったキャラクターは選ばれた直後に死亡
22~<F>
休憩、就寝


・役職の詳しいデータ・タイムテーブル・会話のログは携帯端末機に保存p78
・【密談】で話し合った内容は自分と相手以外には見られない。携帯端末機の持ち主が耳に入れた話以外読み返すことはできない。誰と話し合ったかは表示される。お互い同じものを指名すると1時間。p84

メモしてて思ったんだが「勝利条件」の「死亡」と「排除」ってもしかして意味違うのかな、
でも排除の「条件」(ものを差し出すとか、ある特定の行動をするとか、コマンドを押すとか)はなかったと思う…
あとマリアは徹頭徹尾殺さないですが、星野くんは日常を守るためなら殺す、の、かな?
箱のないマリアの話


空ろの箱と零のマリア〈2〉 (電撃文庫)/御影 瑛路
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