戦塵外史 六 双帝興亡記 (GA文庫)/花田 一三六
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【今日も道化の声が都の大路に響く。
 曰く、
「この世は、ただ一夜の夢」、と。

 兄の名はヴァルキール。
 ガゼルーン帝国皇帝である。
 妹の名はアイーシア。
 自身の兄に、北の最果てに放逐された前皇帝である。
 時にヴァルキール二十歳、アイーシア十八歳のことであった。
 このままヴァルキールが天下を握ると思われたが、狩る者は常に狩られる者でもある。日々流転し紡がれていく運命の糸は、やがて二人のみならず、大陸全体を飲み込む巨大な潮流を形づくっていくのであった……。

 響くのは楽しげな道化の囁き。
「よい夢を」
 戦塵外史シリーズ、堂々の最終巻!】

思っていたより恋愛だった

■ 感想とか色々

前半ヴァルキール(帝国皇帝/兄)
後半アイーシア(追放された前皇帝/妹)

ヴァルキール視点での即位から退位までの流れ
宰相のザーレが実権のほとんどを掌握している
ザーレ蟄居にさせてザーレ以外の宰相使う!→その宰相(ハルガー)も結局は元宰相の手先でした→皇帝やる気なくして別荘立てる
皇帝の傍にいつもいる道化 こいつがまたそこそこムカつくったら……
途中(やる気なくした後)から皇帝の子孫残すために買われてきた農家出身の女の子・リーシェが出てきて道化に怒ってくれるのはちょっとスッとした
ただ身籠らせるのが目的だった割には皇帝にお目見えの時点で初潮も来ていないガリッガリの女の子なので、皇帝も大笑いしてる
リーシェは途中から別荘を造るときに皇帝に指名された帝国官吏のパールクの監視をしてるし、城に入ったとき「道化を追い掛け回す侍女」のふりをしながら以前とは構造の変わった道を調べつくして皇帝に報告したりしてる
ヴァルキールの最期が好きだった、つかあのイラストいいなあ! 皇帝の首を大事そうに持って帰ってきた道化。道化は陰の主役と思っています、アイーシア編になるとほっとんど出てきませんが(笑)
皇帝に頭撫でてもらってるリーシェ可愛い。さいご、戸惑っちゃうのも可愛い。元気な御嬢さんだ。(パールク視点(別荘の建築)のとき「美童」だったので、皇帝は衆道かと思った。衆道の割には淫楽にふけるときは女の人ばっかだったので首を傾げてましたが、そのあと女子と発覚)


アイーシア編はほとんど恋愛っぽかった
5巻「戦士の法」より恋愛要素高め、1巻の「野を馳せる風の如く」よりかは4巻「豪兵伝」収録「農夫の剣」な感じ。
5巻は男が相手の裸見ても鼻で笑ってたからなー ちょこまかしてる商人が怪しさ満点で好きだった。
ヴァルキール視点の話だと戦は初陣以外彼の手を離れてザーレに行く、その彼の手を離れていった戦の話がアイーシアの方に含まれてた
最初は北に追放されてから。ついてきた家臣とのやり取りや諸侯との駆け引き
アイーシア編と言っても最初の視点はハル。ハルは筆頭文官の息子で、人手不足のためお父さんのお手伝いをしに登城
陛下のお忍びについていったり、そこで未来の財務長官を見つけたり、特務内政官として暗躍したり、自分の首で増援を頼んだり
花の名前を知らない少女が夢見ていたもの
「そういうことだ」p393が好きだった。
そういうやヴァルキールのときに何度も忠告したグラジール将軍がいたことを書くの忘れてた
お嫁さんにデレデレらしい。この人も道化に怒ってる。途中からアイーシアの方に行く。
婿取りを進める武人。グラジールとヴァリー(お忍びのときに会った男)のやり取りが可愛かった、ヴァリー良い奴だよヴァリー!
そうだね君は最初からハルとアイーシアのことを「彼氏」と「彼女」ってそれぞれ呼んでたんだ、ああそうかなんでハルなのかと思ったら舞台が北だからかな、最初も雪に閉ざされてたし

最終巻だそうですが、もっと話読みたかったなー
王道にアイーシアでもいいし、リーシェでもいいし、ピエロと出会った人の物語でもいいし(ただピエロの生い立ちは嫌かも)
シリーズ通してだと、目の見えない策士とおせっかいな侍女さんいなかったっけ… 名前が出てこない… あの人達も好きです、確か少年の王さまが怖かった気がする

イラストレーターは廣岡政樹さん!
好き! 表紙もいいなー 可愛いなー
なんでおっさんにあんな力が入ってるんだろー
それだけが不思議です、ほんと(笑)
p192が好き過ぎる、球転がしみたいに持ってる道化の口とか顏とか衣装とか好きだわー

GA文庫2巻「八の弓 死鳥の矢」ですが、読んだのは角川書店の方だったので「角川書店」収納でした、(わたしが)ややこしいのでGA文庫に収録します
新刊(新シリーズ)出たらまた読みたい!


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→(感想