半魂香 ――まどろみの巫女と<守護者>―― 上 (幻狼ファンタジアノベルス)/響野 夏菜
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【代々族長が継承する“半魂の術”を受け継いだ星輝族の巫女・サシャは、若き族長として、幼馴染みで魂の片割れである“守護者”ヤハンに助けられながら、その責務を全うしようとしていた。
一族を導く者として正しくあろうと奮闘するサシャだが、掟で禁じられた“守護者”への恋心を長年、密かに募らせていた。
やり場のない思慕をひた隠す中、侵略された国の王子を“半魂の術”で救ってほしいと依頼を受け…。 】

■ 感想とか色々

なんだかさいしょからラブラブだよ!
ラブラブって打つの、なんか、気恥ずかしいよーねー

半魂香は反ではない、「あちらの死者」と「こちらの生者」を半歩ずつ引き寄せて会わせるもの
舞台はこちらの側の望みどおりに 死者は「本物」…かなあ
こちらの望みも入っているので、正確ではないと思う、どっちかってーと恐山のイタコに近い。サシャは盲目ではないが。
ヤハンは英雄の意。サシャは青い花の意。
血筋的にはサマーラー太守と先代の族長兼巫女の血を引いている、ヤハンの妹カリーナとは乳姉妹。
カリーカリー呼ぶからカレーに聞こえる(笑)
サシャは幼いころは「世継ぎ」、継いでからは「族長」なので、サシャをサシャと呼ぶのも彼女の名前を知っているのも極僅か。

サマーラー、オル=イムダ、ダルケシュ、青南の四都市。
それぞれへの従属を求める世界
青南はあんまり出てこない、オル=イムダが結構えげつない(反乱した町の扱い的に)、反乱の意志を摘むのにはいいのかも。
サマーラー太守とサシャは義兄妹。星輝族はこっち側。
ヤハンは基本無口、お前片眉で語りすぎだろ、てなる。
奇妙な旅人スレイとその従者、獅子の首飾となった公女、ラテルの娘に助けられた裏切り者、生き延びた王子、イリザ国の王子リオフ、あるいは黄金の獅子。

リオフは嫌いでも好きでもないが、「女王」に「言い付け」るんだったらちょっと嫌いかも
サシャと言い合っているときは、あれはただのサシャの感傷っていうか、彼女が感情的になっていたから、差し出された女の扱いに関してはどうでもよかったんだが…
小さかろうが大きかろうが「女王」は「女王」でしょ、他者に傅く必要っていうのは国が滅んだり戦争で負けるレベルじゃないか、なんでリオフの「言い付け」程度聞かなあかんの。

先代の族長と守護者の仲もとってもよかったみたい
その関係性がいびつだと思いながら、慣習と伝統だから続けるっていうのか
まあ聞いた限り確かにサシャの「血」は重い
先代が亡くなられてるのもきついなー そういえばヤハンとサシャの養父(お母さんの守護者)は仲が良いのかしら。
暇だからという理由で族長が一族を離れていいのかとも思ったけど良いらしい
最後の、最後にある、滅びた国の鐘がうつくしかった
滅びて、滅びているのに、その形を残すものは時々とてもうつくしくて好き
上下巻だけど読むのは上だけー 守護者と巫女は寝ちゃいけないらしい

イラストは山下ナナオさん!