B.A.D. 5 繭墨は猫の狂言を笑う (ファミ通文庫)/綾里 けいし
¥672Amazon.co.jp

【「始まりの先には――――――終わりしかないんだよ」
「忌ま忌ましい」燃えさかる炎を前に繭墨あざかは囁いた。
麗泉女学園生徒の自殺に端を発する、奇怪な紅い花にまつわる一連の事件。
その裏に見えるのは、異界へ置いてきたはずの繭墨あさとの影だった。
そして学園で出会った、猫の仮面に黒いマントを纏った少女、神宮ゆうり。
少女は芝居じみた格好と仕草、あさととよく似た歪んだ笑みで僕たちに告げる。
「――猫は狐の使者だ」と……。
残酷で切なく、醜悪に美しいミステリアス・ファンタジー、第5弾!】


■ 感想とか色々~

嵯峨くんは?
朝子さんと秋ちゃん(の偽者)を潰しちゃったからちょっとナーバスになっているらしい… 会話の端にあがることはあっても登場はしません。残念です。

狐の使者を名乗る猫の話。
猫と遊んだ少女達の話。
死体を産む花、それぞれで分けた罪の象徴。
学園からの脱走と五階への閉じ込め。
小鳥と高梨と一之瀬と椿。
花のお話だったので椿はよいし、猫の話だったので小鳥と高梨(小鳥遊)もよいと思う、しかし一之瀬さんだけはわからなかった…

再び開く腹の中。

というわけで相も変わらず安定感のある偽善さと薄気味悪さとあざかさんの素敵っぷりをどうもありがとうございます
白雪さんは出てきません、綾が出てきます、綾に関しては死にたいなら死ねばいいじゃないの、と
自分を断罪させるなんて、そんな甘っちょろいこと言わないで、たくさん苦しんでね!
少年(小田桐くん)も相変わらずで。
そして君は望みを叶えて欲しいと言う人の望みを叶えず、追い詰めることだけに関しては超一級ですね
狐に言われて学習したかなあと思ったんだが、少年って人の逃げ道を塞ぐ、まるでそっちは地獄だとでもいうように
「逃げちゃダメだ」って言うの。逃げるのを嫌う人もいますけど、わたしは基本的に逃げているので(それはもういろんなものから)少年に言われるとちょっと耳が痛い
p227
それでも、黙っているよりはマシなはずだ。
いいえ、黙っている方が、ずっとマシな場合だってあります

つか折角異界にまで降りたっていうのに狐を殺すの殺さないのまたその場で迷うって言うのがどうなの
少年はこれまでの行為をかなり本気の善意度でやっていたのか! と初めて気付きました
すごいな少年、なんという博愛主義者、いや博愛主義者じゃないか
それこそあさとの言うように自己満足のためだろうし、いやはやなんともまあ、よくやるねえ
救えなかった女の代わりに、他の女を救おうとしたって、そりゃ無理だろ
チョコレート・デイズで選んだと思ってた、「自分が1番可愛い」って。自分が1番可愛いよ

模倣が中途半端だったのもわざとかなー
白兎が唐突だった。アリスのチェシャ猫は帽子屋と同じくらい好きな存在です、実際のところ、「時計」は猫たるゆうりが持っていた。ラプンツェルと眠り姫。
好きになったら好きになられたり、愛したら愛されたり、善意を向ければ善意が返ってきたり、そういうのが普通だと思ってるのって、すっごくすごいよね
父親であることが記憶を重ね自我が混ざり合ったときの唯一の存在証明。すげえな。
母親の報われなさったら! 雨香も活躍。
この子お腹を叩く回数がどんどん増えている気がする。
今まで生かすことのできた「人間」は少ないって言うのによくまあ啖呵を切れたもので

イラストレーターはkonaさん!
え からかさ は…?


B.A.D. 4 繭墨はさしだされた手を握らない (ファミ通文庫)/綾里 けいし
¥651Amazon.co.jp
→(感想