火鍛冶の娘 (カドカワ銀のさじシリーズ)/廣嶋 玲子
¥1,575Amazon.co.jp

【火鍛冶の匠を父に持つ少女・沙耶。
鉄を鍛え、武器や道具を作り出す父親に憧れ、自分も火鍛冶になることを目指す彼女だが、この世界には、女は鍛冶をしてはいけないという掟があった。
男と偽り、鍛冶を続けていた彼女に、都からとんでもない依頼が。
それは20歳になる麗しの王子に、剣を鍛えてほしいというもので…。
叶わぬ夢に身を焦がす男装少女の、鉄と炎の和風ファンタジー。】


面白かった

■ 感想とか色々~

おおお正直そんなに期待してなかったんだが思っていたよりよかった!
女の身で男になろうとした子と女の身で男にさせられた子のお話
第一王子の阿古矢、第二王子の加津稚。
阿古矢と加津稚のお母さんは違っていて、阿古矢のお母さんはもう亡くなられています
加津稚の妹で阿古矢の異母妹・美緒。この子あんまり出て来ないんだけどそのうち結婚でもさせられるのかしらまあどうでもいいや

「刀鍛冶は男の仕事」だけど女の沙耶の熱意が通じて(?)父親に教えてもらう
男としての名前は佐矢琉。(さやる) 琉は流だと思ってたら琉だった
この本とは関係ないが琉球ってすっごく良い名前だと思う、なんてったって音が龍と一緒だし。
それで護足(ごたり)っていう気さくな武人が阿古矢の成人の儀の祝いものを頼みに来て剣を打ったら… というお話
正直女が生まれた時点で弟子取るか早々に婿取らなきゃ技が廃れちゃいますよと思いましがよいのでしょうか…

女に戻る戻らないの話のときの羽津奈ばあさまが好きだった
大巫女さまらしい。他の里の有力者呼び出しての大騒ぎ。
女を嫌う鍛冶の神さま。
掟を定めたのは神さまじゃなくて人間だったり、男になろうとした最初の理由だったり
鍛冶をやりたいって言う目的を忘れないままでいてくれたのでよかった、羽津奈ばあさまもいたしねっ ばあさま結構素敵。


命を産む女が、命を絶つ剣や矛を作ることに忌まわしさを感じ、それで女を鍛冶から遠ざける掟を作ったのだろう。p150
が可愛くて好き
自分の産んだ子の責任は取ろうね? でもあったけど。
あそこで渡してしまったのがある種の未熟さだって言うなら決着付くとこまで見届けるんだ


加津稚王子も頑張ってくれたしー
でも戦担当の異母弟の第二王子ってまた揉め事になりそうな、うーん 
阿古矢に関しては弓真呂に頑張って欲しい、でも「償い」で傍にいてほしくはない、いや償いでも良いけどそれを言ってほしくはない
それでも影のようにずっと阿古矢の傍にいてくれてありがとう!!! 弓真呂も腕が良いらしいので楽しみ
加津稚 vs 弓真呂 でやらないかねえ。やらないよなあ。
続刊出て欲しい

装画は東逸子さん!
挿絵アリ。好きー!