ギデオンの恋人 (講談社X文庫―ホワイトハート)/石和 仙衣
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【舞台は聖暦二十世紀初頭のアンゲリア王国。
裕福な生まれのメリッサ・クリマイヤーは、初めて訪れたサーカスで、無口な網渡りの青年リンドウと、人間の言葉を話す不思議なライオン、ギデオンに出会う。
ある時、メリッサはリンドウがまったく歳をとらないことに気がつく。
それは、かれがギデオンと交わしているという魔法の契約のせいだった。
切なくて思わず涙する、珠玉のラブストーリー。】

ふつう…

■ 感想とか色々~


恋は夏のサーカスに似ている。
どきどきして、華やかで、もの悲しくて、切なくて、……それでいてその余韻にずっとひたっていたい。
でもそれは、永遠じゃないから、尊くていとおしいの。
私の中にあるあなたへの想いは、もう恋とは言えないのかもしれない。
これを、なんと呼んだらいいのかしら。
p7

サーカスで出会った青年・リンドウと魔法を使うライオンのギデオン。
願いを三つ叶える契約の代償。代々の契約者から引き継いだ「喜び」の量。尽きることの無い飢えの話。
夏のひと時。
メリッサはギデオンが好む極上の喜びを与えることが出来る。
ギデオンの近くにいないと「喜び」は食べてもらえないんだと思ってたけど、さいごで「そうでもないのか?」と思った。そこらへんがよく解らない。
ギデオンと離れている人間の喜びはギデオンの糧になるっぽい。

それで、まあ、「飢え」が治まったら、リンドウは永遠の命から離れて老いて死ねる、契約にも縛られないので、そのために頑張る。
記憶忘れちゃったり戦争してたり逃げてたりそれが逆方向だったり。
「寄り添いたい」だけが残った、というのが面白かった。看護婦への志願。

リンドウは花の名前なのでそのうち出てくるんだろうなと思ったら本当に出てきた!
青紫の小さくて可愛い花だから好き。
ギデオンは日本ぽいような中国ぽいような男の人だった。

あんまり書きたいことも書いておきたいこともない…
えっと「わたし、あなたのこと好きなんだわ!」空気→即告白→ふられる の展開があまりにもはやくて笑った。 
国章(?)のユニコーンは出てくるのかな、と思ったら出てこなかった。
「どこに行ったかわからない」まで含めて安定してる話だった、でもリンドウは契約が終わったら死ぬと思った、だって明らかに人間の寿命超えてる。
p242は好き。占い師がそこまで重要だとは、あそこで出てくるとは思わなかったけど(笑)
きっと2人はサーカスの続きを見に行ったんだよ!

イラストレーターは弥南せいらさん!
作者の名前は いさわ のりえ さん。読めなかった…