ff1 ―フェアリー・ファイル― (富士見ファンタジア文庫)/冴木 忍
¥651Amazon.co.jp

【“妖精”がいたり、絵が動いたり――この館は普通じゃない!
家庭教師として雇われた、十七歳の少女・パールは、住み込み先のダナン家で、存在しない筈の“妖精”やおかしなものを目撃する。
だけど、教え子のミルドレットお嬢様には相手にされない。
妖精を見たというパールの主張は取り合われず、からかわれてばかり。
そんな折、お嬢様が貴族の夜会に招待された。
この隙に、館を探ろうと意気込むパールだったが、「上流社会に出る自信がないの?」とお嬢様に挑発され、気づけば夜会に同行する羽目に。
招待先のお屋敷でも、パールの前で奇妙なできごとが起き始めて―。
謎と不思議の旅へと誘う、ゴシック・ファンタジー、開幕。】

最初の方に出てきた年を取らない綺麗なお兄さんはどこへ行った!?

■ 感想とか色々~


パール・アイストーン
視点となる女の子。三ヶ国語を話せる家庭教師(希望)。
両親が亡くなったあとは叔母に育てられるが、その叔母も亡くなり、エージャス(賢い鳥)とひとりぐらし。
物語の最初の方で追い出されているので家無し職無しから始まる。結構ハード。
読了後の印象→粗雑。乱暴。わがまま。煩い。欲張り。もうちょっと頭良い子がよかった!!!

ミルドレット・ダナン
「ダナン」はベトナムの主要な港湾の都市名、らしい。
パール・アイストーンの名前がそもそも伏線ぽかったから調べてみた結果。
パールの教え子。のはず。10ヶ国語を話せる。教養がある。ただ運動は苦手。作中でスケートをやっているがしりもちばかり。
男爵家からパーティーの招待をされパールを連れて出かける。エージャスを気に入っている。
読了後の印象→外見が可愛くてちっちゃい女の子。少し喋りすぎ。

ロファルカ・ガード
パールを雇った(?)男の人。
黒サングラスを常に着用。
家事全般をこなすハウス・キーパー。掃除大好きの銀食器磨き大好き。
作中で剣を振るう。「戦士」と表現されている違和感。
「騎士」じゃないのかな、貴族階級とか妖精とかはイギリスっぽかったので。
読了後の印象→可もなく不可もなく。

アンシーリー・コート
スコットランドかウェールズで「悪い妖精」って意味だった気がするんだーと思ったので以下は引用
Unseelie Court
スコットランドの妖精。悪い妖精。
良い妖精と言われるシーリー・コートも怒らせると危険な妖精であるが、アンシーリー・コートは常に悪意を持つ妖精とされている。
高地地方のアンシーリー・コートの群れは、家畜を襲ったり、病気を広めたり、農作物を枯らしたりする。

メモメモ
シーリー・コート  Seelie Court
スコットランドの妖精。シーリーとは「祝福された」という意味。
アリソン・グロスという悪い魔女は、若く美しい騎士に愛の告白を断られた腹いせに、その騎士を銀の杖で三回叩き、見にくい虫の姿に変えてしまう。騎士の妹は、木にからみつくことしかできない虫の姿をした哀れな兄を発見するが、魔法を解くことができなかった。しかし、騎士はハロウィーンの夜にシーリー・コートたちを率いた妖精の女王に呼び寄せられ、膝の上で顔を三回叩かれたことで魔法が解かれ、元の姿に戻ることができた。


妖精が見える、とはいっても、具体的な妖精の名前は出てこなかった
妖精に取り付かれた人間とのごたごた
男爵家でのパーティーのこと。
空っぽの棺やそそのかした妖精や、ミイラになった執事やパールが前に勤めていた場所での知り合いのこと。
フェリクス・ハンター(フェリクスはラテン語の「幸運」が語源)は話の上手な変なにーちゃん。
ミルドレットとロファルカは基本無視。

(館が変だと証明できれば、精神的苦痛に対する代償と口止め料込みで、給金の増額を要求できるもの!)p65
もらえる給金の額は「家庭教師の相場の10倍の40ローユ」。プラス「住み込み」。
よっぽどパールが優秀な家庭教師であったり、淑女であるのならよかったが、教え子の方が優秀。
労働と給金、釣り合ってないんじゃね…?

「お黙りなさい。わたくしはミルドレット・ダナンです」が好き

イラストレーターは天乃咲哉さん!
×昨
○咲
失礼しました