決定版 風の大陸〈1〉/竹河 聖
¥3,150Amazon.co.jp

【滅びつつある大陸。宿命の糸に結ばれた三人が出会った。
その瞳に「世界」の相を持つ美貌の青年・ティーエは、男装の美少女・ラクシ、自由戦士・ボイスと巡り逢う。大陸の命運をかけ、壮麗なるドラマが幕を開ける。
日本ファンタジー史の金字塔。】

主人公がスペック高すぎてなんともいえない

■ 感想とか色々~

ティーエ
大陸最後の共和国デンの評議会議長、アウル・バカンの孫。
父親にバカンの息子・レンキエ、母親にカゼス王国の王女シレーナ。
国はそのアドリエ王国に滅ぼされた。焼き討ちの上奴隷と虐殺、畑に塩。
右目が緑、左目が紫、他人のオーラと人が強く思った心を見ることが出来、触れればそれがより増す。
精霊を呼び出したり薬草で人を治療したり。とりあえず美人らしい。男です。正真正銘男です。
人を傷付けたり血を見るのが苦手。

ラクシ
男装している美少女。15歳。(作中で16歳に)
本名はアルン・アーダ。イタール公国の公女。
アドリエ王国に文句付けられて15年前に大公アルン家とそれについていく市民の民とで今の貧しい土地に辿り着いた。
病弱な兄と母があり。そういや母がほっとんど出てこなかったな。
お父さんは亡くなられています。
小柄なので戦闘のときは短期決戦・体ごとで頑張ってます、強いらしいぞ! ティーエの世間知らずっぷりが激しいため同行中。
地味にアドリエの今の王さま、イルアデルと許婚でもある。
正直、征服した国の王×征服された国の王女(この場合公女)って設定がとっっっても美味しいと思うの。

ボイス
自由戦士(めっちゃ強くて掟遵守、尊敬度合い高し)。
トリニダ王国の宰相の次男でもあるけど今は政争に破れ(父親が濡れ衣を着せられて)逃亡中。賞金首。
この3人、全てそれぞれの国での政治的な上層部が関わっているのでなにも起きない方がどうかと思う。
まあ基本はティーエ、次にラクシ(イタール公国の復興の旗)、ボイスの国はあんまり出てこなかった。
ティーエに命を助けられたので「命の借りは命で返す」に従ってティーエの用心棒中。
恋人もいるみたい。名前の意味は「大男」。実際でかい。
正直、護衛(ボイス)×護衛(ラクシ)も美味しいと思うの。
ていうかわたしはティーエが好きじゃないの(笑)


イルアデル
今のアドリエの王さま。ティーエと顔がそっくり。
お父さんはグラウルっていう家臣に命令して暗殺させてる。
お母さんはバルリットさんに毒殺されてる。
父親は、ティーエのお母さんであるシレーナに一目惚れしたネモスアデル。母親は、カゼス王国の王弟の娘、イリリア。つまりシレーナの従妹。
ちなみにシレーナのお姉さんは巫女王だったり。

マレシアーナ
父親がネモスアデルで、母親がバルリット。イルアデルの異母妹。
兄を憎んでいる。バルリットさんは冤罪着せられて殺されてます。

ゼルフト……
イルアデルを支持している将軍は、確かお孫さんが王家の血をついではいるんだけど血縁関係忘れた…。
ネモスアデルの妹が時の将軍に嫁いではいる。
軍が支持しているからまだイルアデルは王さま。
ゼルフトさんとバルドさんは仲が悪い。バルドさんは宰相さん。
さっき出てきたグラウルは暦司処。つまり今の日本で言う気象庁?
でも薬草と呪術の医療が中心である時代で、縫うことすらあまりしないらしいので、雰囲気としては気象庁って言うよりも天文と星見かな。
グラウルさんの私兵に黒影団がいます。訓練された異能集団。
組織名がださい。カラスって呼ばれてもいる。


オルボ
反アドリエでイタール人であり、ラクシの剣の師匠
ラクシをイタール公国復活の旗にしようとする。
アドリエは王が代わったばかりであり、戦争大好き征服大好きの国なのでそれぞれに独立の火種をかかえている。
ぶっちゃけ
ラクシが夜な夜な出かける(原因はオルボ。このとき初登場)
→ボイスとティーエがラクシのあとを付ける
→誰お前(お互い)
→ついでにいろいろバレていたらしく敵の襲撃
のときどうして 原 因 を調べなかったの? 内通者とか情報組織とか追っ手とか、と思ってたのであんまり好きじゃない。
それに祖国再興を望むイタール人がどれくらいいるかはっきりしていない、ラクシが公女であることを知りもしないで旗にしようとするの? いざとなったら切り捨てる?
「反アドリエ」で固まっても、例えば情報の共有とか一時に反乱の狼煙上げてアドリエ軍の兵力分散とか? ないわけでもないのか、いや反乱の仕方とか習ってないのでわかんないが。
併合した国同士での見張りあい、つまり生粋(?)のアドリエ軍は使わず、元イタール人の見張りを元デン人に、元デン人の見張りを元イタール人に、ていう風に、相互の暴動・反乱の監視の上、手を結ばせない、ていうのをやってた国があった……よう……な………。でもこれもうろ覚えなのでやり方が間違ってる可能盛大。リアルの出来事か小説での出来事かすら忘れた。(だったら書くなと)


王政→共和制ならまだ解るんだが共和制→王政ってのは……あ、「王政復古」でいいのか。
ググったら1660年のイギリスと1814年のフランス。(メモ代わり)
そういやイギリス王室のご結婚の準備のことをフランスのF2が説明してて、なんか面白かった。

p226のヴァユラの少年と財布を盗まれた兵士は理不尽にも程がある。
ヴァユラの少年(窃盗)
ジッダ(同じくヴァユラ。少年から財布をもらい、他の子供達へ回す)
兵士1(財布を盗まれる)
兵士2(ジッダに斬りかかる)
ヴァユラは、差別され、神殿で祈ることすら許されず、人扱いされない集団である。
それで、なんの罪も犯していないのに重傷負わされたんだったら、切りかかった兵士2が悪い。
だけど、「なんにもしていない」は真っ赤な嘘だ。実際に盗んでる。
盗んだ財布は少年からジッダの手に渡り、ジッダが少年と兵士1の仲介をしようと兵士1に話しかけている間に、他の子供達の手に渡っていた。
兵士2はうまく切り抜けようとしたジッダ達に割り込み「俺は見た!」発言。
見たのが、少年がスリをしたところなのか、ジッダが子供達に財布を回したところなのかは、言っていない。んで、ジッダに斬りかかる。てことは見たのは後者か?
今ちゃんと読み返したら、全体的に判断しづらい、微妙な書き方なんだが…
この場合ジッダは共犯者になるのかな。
まあ多分この一連の流れで言いたいのは「ヴァユラへの理不尽な仕打ち」なんだろうけど、実際に窃盗しているので釈然としない!


そんでもって1番は、美人美人美人美人! 美人ばっかり!!
いやいいんだけどさ好きだけどさ美人、好きだけどさ! 美人美人うるせえんだよ! と思ってしまった、だってもういい、美人は飽きた。
美人て読むの飽きた。
しかもさして美人でもないので余計に残念。
精霊と系統のお話でもあった。でもやってることは雨を降らせたり風を呼んだり遠見をしたり、けっこう便利に扱われている。呪文(詠唱)もそんなカッコよくないし。ああいうのってどれだけ酔えるかにかかってると思う、そいでもってどれだけ酔わせるか
地の文が面白くないので300ページ(大体半分)読んだら飽きてきてしまった。
もうちょっと掘り下げてよ! という所で終わってしまう。特産品とか工業とか気候の違いによる産業の違いとか! 地図ほしい!!!


『決定版 風の大陸 Ⅰ』は富士見ファンタジア文庫版『風の大陸』の第一部~第六部に加筆修正を加えたものです
だそうです。文庫版は富士見もハルキも読んでません。
「富士見書房」はないのでその他に収納