黄昏世界の絶対逃走 (ガガガ文庫)/本岡 冬成
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【『――黄昏予報の時間です。本日午後の黄昏濃度は約80パーセント、非常に濃くなる見通しです。発作的な自殺には注意しましょう』
全天を覆う茜色の空。≪黄昏≫はヒトの弱い心に入り込み、支配し、死に至らしめる病の元凶。
世界は生きる気力を失った人々で溢れていた。その≪黄昏≫を浄化し、青い空を生み出す少女≪黄昏の君≫(メアリ)。
フリーエージェントのカラスは、その奪取を請け負い、二人で短い旅を続けることになる。
≪黄昏≫に冒された人々との出会いと別れを繰り返しながら……。
第4回小学館ライトノベル大賞・優秀賞受賞作!】

「世界の果てに行きましょう。楽園に行けないのなら」

■ 感想とか色々~

捕獲対象と請負人。
そこまでの旅。それまでの旅。
幼い頃どこかに行ってしまった幼馴染と、彼女と同じことを言う記憶が失われている少女。
≪黄昏≫はなんだか鬱っぽい話だなあと思った。
それ自体は心理的作用があるだけで身体的に有害ではないような気がした。「発作的な自殺には注意しましょう」。
青い空を生み出す少女≪黄昏の君≫。基本的には孤児を拾ってくるらしい。
体を拘束されているだけで死なない、てか体が動かせないから自殺できない。

列車の途中で出会う子供の駆け落ち。
車での旅。昔いた場所への。
逃避行と追っ手。依頼人のカヤハラさんが意外に謎である。


ずいぶんと都合の良い……
p277で さっさと撃てよ と全力で思いました。
カラスはぱんぱか殺してるのになんで敵側がさっさと殺してないのなんなのバカなの。
見た目か弱い女性が銃撃ってるからって動揺して引き金引かない程度なの?
誰もいない所で暮らしてる女の子ってご飯どうしてたんだろう 保存食かなあ
幼馴染との思い出がもう少しほしかったかも。大切であったり、好きであったりするのならば。(そしてそれを主張するのであれば)

p141のエイコさんの
「そんなわけがあるはずもないのに……」 が好きだった!
カラスを好きな女のこのこと。
メアリはカラスを「カラス様」呼びなのですが「様」っていう漢字を敬称で使うのがあんまり好きじゃない。
「死ぬべきときに死ねなかった者は、ひたすら惨めだ」p65 も好き
これ言ってる奴自身がこれに当てはまりそうだし、これに当てはまると思ってそうだ

p211
「世界の果てに行きましょう。楽園に行けないのなら」
張間さんの「楽園まで」と萬屋さんの「旅に出よう、滅びゆく世界の果てまで。」を思い出した。
カラスは最後にちょっとだけやる気を出した。
列車で会ったヒツジとレインのときはあんなにやる気なかったのに(笑)


イラストレーターはゆーげんさん!
「黄昏」も好きだが表紙の女の子の脚も好き!
正確には(1)って書いてないんだけど2巻出てたので付けとく!