戦塵外史 野を馳せる風のごとく (GA文庫)/花田 一三六
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【「どけえいっ」
一陣の風のごとく戦場を駆け抜ける赤毛の巨馬。
騎乗する男が振るうのは、一スタルト(約三・六メートル)はあろうかという“削り出し”の大槍だ。
それに触れた五人の兵士の首が一度に飛ぶ。人間業ではない。彼の名はダリウス。
今は亡きアバール大公国の世継ぎである。その存在すべてが桁外れの男であった。
「兵を挙げて頂きたく存じます」
彼の内縁の妻アスティアが連れてきたのは、亡国の皇女フィアナだった。
生ぬるい平和に退屈していたダリウスは即決した。たった五人で一国を奪う…。
こんな愉快なことが他にあるだろうか。
「ひとつ派手にやろうじゃないか!」。 】
うんまああれだな 全力で逃げるかな
■ 感想とか色々~
筆頭ダリウス、部下の優男キルスと無骨ラザーク、内縁の妻(元暗殺者)アスティア、亡国の皇女フィアナ。
冒頭はダリウスのお父さんのアバールさんvsセヴェロス。
降伏してダリウス自身もセヴェロスに降ったのかと思えばかなり自由な生活。(宮廷の中)
虎(イスワーン)は飼えたけど龍(ダリウス)は飼えない、ってあれか空を飛んでいるかいないかの差ですか。
両方飼おうとするあたり(飼えると思っていたあたり)、強い人だなあと。
ダリウスを飼っているとしたら多分ダリウス自身じゃね? 私の王さまは常に私、なのと同じで。
長い夜を過ごしたイスワーンが監視役。でも一緒にお酒飲んだりふらっと来てるので表は友好的。
ごろつきに巻き込まれていた小柄な男の子。
身の丈に合わない柄と刀身。居合わせたアスティア。
大商人コルネリオ。名前がハンターハンターのグリードアイランド編(の前、オークションに紛れ込むためお金稼ぎ中)の商人とダブる。
この大商人、内通というのか情報提供者というのか 協力…者……? くらい。
個人的にはすっごく嫌い、なのに頭下げなきゃいけないのが嫌、拝金主義者とも違うみたいだしー なんなんだー
ナセルの三男が地味に好きだ!
ほけほけっとしているかと思えば生き残ってるし、なぜ殺さなかったのか聞きに来る。
良い度胸…してると思うんだ……。
しかし聞きに来たとき、当のダリウスがアスティアさんの御懐妊の嬉しさのあまり馬に乗って走って行っちゃったのでいなかった。タイミングがすげえ。
帰ってきたのが深夜、あたりまで読んで笑った。なんなんだこの人。
戦好きだったり豪胆だったりする、王の器ではないが将の器ではあるのか、自由奔放すぎる。楽しかった。楽しかった!
お墓はないんだって。
解説が好き!
イラストレーターは廣岡政樹さん!
いいなーと思って他の挿絵調べたらモンスターハンター……(いや、モンスターハンターは悪くない、悪くないんだ)