戦塵外史 二 八の弓、死鳥の矢 (GA文庫)/花田 一三六
¥620Amazon.co.jp

かっこいい。

■ 感想とか色々~

八の弓、死鳥の矢
ガゼルーン帝国帝国暦45年。からもう千年も前のこと。男がいた。
名は残されていない。狩りと100まで数えることが男の能力の全てだった。
一般に使用されている弓を「二」という。
「二人がかりで弦を張りました」といった意味。
弓兵のものは三から四、伝説に名高い勇将サヴァールの愛用したものが五。
男は八。
大陸統一という大義名分のために略奪され皆殺しにあった村の例外。
女は殺さない、弱い雄だけ、な信条とか。
「ふと、まわりを見れば、村人とは男のことを意味していた」も好き。
頼まれた暗殺以来。傀儡の女王。

ルクソール退却戦
ダリウスとアフローナとキルスとラザーク。「退却戦」のお話。まんまだな。
アフローナは舞を得意とする長髪の女性。で、暗殺者。
ダリウスは豪胆というよりも、流れを読んでいるんじゃなくてざばざば掻き分けて行ける人、のような。
(逆流でも気にしない、横断も出来る。なんだこいつ、よくわかんねえな)
敵将との一騎打ち。みんな律儀だな、律儀はいいことだ。
その律儀さに笑った。
GAの2巻はこのダリウス(とそのお仲間)とのお話。
なんていうか、喰えない男…

架橋
アイーシアが出て来た!
八の弓~のときの女王。女皇帝てあった。
アイーシアさんいいな~ 八の弓~のときもう1回出てきてほしいと思ったけどまさか本当に出てきてくれるとは思っていなかったので嬉しい。
これからも頑張るらしいので(大陸の覇王とかなんか)読んでみたい。女傑。
しかし主人公は傭兵のおじいちゃん、おじさん? です。結構長い間戦場にいる頼られ役。「戦場の主」。
若手の人との会話が面白かった、真理とか殺すときは一撃とか。
関節炎を理由に断っているのにうけた、いいおじいちゃんだ。

いちばん長い夜
好き!
これタイトル込みで好き、いいなー。
夜戦での流れ矢にあたって国王絶命、国王の周りをかためる兵士2人を口封じのために殺害。
伝令のイスワーン、皇太子のセヴェロス、その弟で雅人としてのイメージが強く伝えられたテレス。
このテレスの元までひとっ走りお使いに行くイスワーン。途中で命狙われちゃったり。
地味にテレス凄いと思うんですが!! というかセヴェロスの弟やれてるだけすげえよ。
本人が玉座に座る気も取る気もないみたいだからまだ平和が成り立っているとしか思えない…。(セヴェロスの王位継承のときテレスの後見人がちょっと問題起こすけど、自分で鎮圧して兄に釈明しに行ってる、とかもうどんだけだ、すげえな。)
大体こういう羊の皮を被った狼って兄、王、大臣とかが馬鹿で本領発揮しそうだが、お兄さんもお兄さんで苛烈な人だから今の位置。
血筋は残したのかな、どうなんだろう
イスワーンでてこない最後のやり取りが好き、セヴェロスと一人の将。
夜鷹みたい、娼婦ではなく夜に餌探すあたり。
テレスってどこかで聞いたと思ったらテレサ(マリオ)だった、……いや、なんだかすいません。

ジェラルスタンの策士
フーシェとリデス。
視力を失った偏屈な策士と年若く頑固な侍女。
ダリウスと比べればまだ恋愛してたと思う!!
「お友達でいましょうね」って便利な言葉ですね絶対使わないけど。
王様の名前はエフタート、ルマイラ王国の領土拡大、日和見の味方。

策士の弟子
フーシェの後継者として育てられるセフィードのお話。
リディスも出てくる。
師弟は葱が嫌いなんだって。可愛いな! 葱美味しいじゃないか!!
「さっきまで持っていた」お守りや試験。誰が利益を得るか。
フーシェは長生きしそうだな…

イラストレーターは廣岡政樹さん!



(ちょっとめんどくさい読んだ経緯)
最初にカドカワノベルズver.
次にGA文庫ver.
GA文庫のみ「策士の弟子」編あり
カドカワノベルズのみ地図あり
この感想は「策士の弟子」を除き(GA文庫ver.に加筆修正があったとしても)カドカワノベルズver.で書いています
カドカワ読んでから弟子がない!となってGA読んだ、でもGAでもう1回弟子以外の話を読み直す体力はなかった
当初(この記事投稿時)は「読んだのホトンド角川ver.なんだから角川だろ」だったんですが2011年8月15日に戦塵外史シリーズ最終巻が出版され、その感想を書くに当たり、前の感想を読み返してたら「1冊だけない!?」(出版社別のためカドカワのは表示されない)となったので、これもGAに収納しなおします



カドカワノベルズの方のイラストレーターは米田仁士さん、地図作成は渡辺てるこさん!
地図ありがとうございます本当にありがとうございます。お話の舞台となった場所まで書き込んであったので私でもなんとなく位置関係が解った。解ると嬉しい!