星の砦 (講談社青い鳥文庫)/芝田 勝茂
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【新学期になって新しく赴任してきた校長先生が、「勉強最優先」主義の教育方針を打ち出した。
成績順にクラスが分けられ、学校祭や体育祭などへの参加は控えなければならなくなるという。
小学校生活最後の1年間なのに、思い出を作ることもできなくなっていいの!?
受験には関係ない生徒ばかりが集まった6年5組は、学校側の言いなりにはなれないと、結束して立ち上がることに!】

あれー?

■ 感想とか色々~

なんか大分残念だった………。
「勉強最優先」の校長が派遣されて~ のまあわかりやすい“他人を押しのけて1番を取れ”という先生でした。
公立志望(非受験)で6年唯一の男女混合クラス、そのうち27人が合唱を通じて共有しているものがある、最後の一年が楽しくなきゃ嘘だ、と頑張ってます。
頑張ってます。うん……頑張って…るよね? と思う。
ただまあ突っ込み所たくさん でした。パリーの名前の由来は笑ったけどそれ本筋と関係ないなあと思ったり、臨時の先生も先生で予測が甘いし、なんであの人自体に嫌がらせをされないのが解らなかったし、まあ順位を覚えちゃうのはあるかな、と思うけど、そうしたら6年5組全員のフルネーム解ってたのか……そして探したのか……と思ってしまった。
たくさん出すのはいいが、焦点を当てた事柄はあっても人間がいなかったので物足りない。全員にするんだったらもっとページ数ないとキツいだろうし、絞ってやるんだった主人公プラス周りの数人が限界じゃないかな、と。

文化祭の準備にしてもご都合主義っぽい。さくさく進んじゃった。
嫉妬した側(6年5組以外)のクラス視点がないからなんでやってんのか。
なによりも嫌がらせがしょぼいのが悲しい。
嫌がらせするんだったらするんでいいがトイレに落書きって。教室にしろよピンポイントで!

しかしなんというか……突然SF入ってしまう素晴らしさもそうだけど 率直なんだよなあ。言葉が。
あそこで「戻って」よかったと思うよ あれがあったからそのあとの嫌がらせは「嫌がらせ」だけど悔しさとか情けなさとか混じってたんじゃないかな、と思った。筆頭は羨ましさかな。翻れないのなら遠ざければいいのにそれも出来ない近さと不器用さ。
だってねえ なりたくない者と同じことをしたくはないよね? とは思う。
言うのが恥ずかしくなる言葉はある。その言葉が恥ずかしいんじゃなくて 伝えること、そういう意志表示をすることを恥ずかしいと思うこと。照れが入る。悪口を言うほうが簡単。感情論。良いとするか悪いとするかはその時々によるがね。
綺麗事を言う勇気。当たり前のことを当たり前にする。
ありがとうとごめんがすぐに出てくる人は好きよ。
子供だから、子供なのに、物事の本質を驚くほど簡単に捉えるって、それってその人を子供としてしか見てないからじゃないかなあ。知らないこと。知っていることが少ないこと。飾らないこと。率直なこと。感覚でものを言うこと。言葉にしようとしないこと。間違っていても笑って正すこと。

読んだのは……中学校……小学校…かな。青い鳥ではなく文庫でした。
ちょっと横道反れて感想とは違いますが、これ討論会が開かれたそうで。
この本じゃないけど行ったよー あれは面白かったー!

「子どもはどうやったら、大人を罰することができるんですか。」P118

「あのね。採決に加わってるということは、決定には従うということなの。それが民主主義のルールというものでしょうが。従わないつもりなら最初から採決に加わらないよ。」P122

イラストレーターはバラマツヒトミさん!
P192の女の子が小さすぎるだろ!? と思った。P254・56の下半分はがくっと下がった。