暁の女神ヤクシー〈2〉楽園を求める男 (角川スニーカー文庫)/小林 めぐみ
¥600Amazon.co.jp
【ストゥウラ国の侵略を受けたクマリ国。
そこには生き女神として人々に奉られている少女ヤクシーがいた。
彼女と共に逃亡を続ける青年僧シュシと雑誌記者ジェイは、ストゥウラの追っ手と遭遇するが、それを見事な動きで倒すジェイ。
だが彼には、人を殺せる技術を習った覚えはないという。
そして脳裏に響く「あなたは楽園にいるのよ」という謎の言葉。
はたしてジェイの過去には何があったのか?
近未来ファンタジー決定版、急展開の第2弾。 】
名前探しですって。
■ 感想とか色々~
次で終わりだし、お姉さんとシュシが好きだから読む。………が。
ジェイの過去――というよりかは塗り替えられた記憶、と言った方が近いのかなあ。
自分自身で把握していない透明部分。無意識の空白。自分ではない自分の記憶。
登場人物敵味方勢力あっていいし、キャラもあっていいし、サリさん好きだなあ、いいなあ、と思いつつ読んでました。
特に軍人のにこやか兄さんはドツボで好みのはずです。はずです。
兄さんの「俺は生きているのか それとも死んでいるのか」はわたしがそんな興味湧いてないのでかなり粗雑な扱いだな。すまん。
兄さんが兄さんじゃなくっても構わんからなあ。
影武者として姉さんがいるから皇子死亡説あんまり信じてない。
長年一緒にいれば雰囲気は似てくるだろうと楽観的に考えるとして、でも顔は似ないと思うんだ。造作やバランス。
目の大きさだとか鼻の位置だとか唇の厚さだとかね。
姉さんは良いよ、姉さんは凄く良いよ。半身だとか片割れだとか補い合うのとか大好き。
記号だって数字だって名前になるよー。
そこに思い出とか年月とか歴史とか感情があれば指すのは一つ。
名簿、見てさ。ああ良い名前だなあ、とか、珍しい名字だなあ、で流す人の方が多いけど、何人かは「懐かしい」と思う。
自分で二つ目の名前をつけたわたしが名前を奪われた人を語るのも奇妙なことだがな。
ジェイのおじちゃんは不安定なままだった。
最後のほうで「わあなにやった今のジェイが覚えていないジェイ!(笑)」と思った。
ヤクシー以外は武芸に長けているのである意味安心して読めました……が。
肝心のヤクシーが攫われちゃった。金髪の魔女さん、そこまで嫌いじゃなかったし欲で身を滅ぼさない貪欲な人は好きなんだが、子供に手を上げるのだけはダーメ。
しかもその理由が自分と重ねている時点でアウト。気の毒だとは思うし否定はしないしあなたが必要なら同情だってするが、あなたとその子は別だ。まあヤクシーは大分ムカつくが。
マヒーナタースを大切にしない組織。使い捨ての道具よりも酷い。ふぅん。
どうしてって聞くのは簡単だけど簡単だからしない。
話のキーワードとしてはヤクシーや女神や金烏。
文明の発達度や衰退、連合、星をまたいで商売する企業などなど、ぽつぽつSF単語入るからびっくりしました。
イラストレーターはいのまたむつみさん!
男の人どうにかしてください男の人。
暁の女神ヤクシー〈1〉鳥の呼ぶ声 (角川スニーカー文庫)/小林 めぐみ
¥580Amazon.co.jp
→(感想)