Dクラッカーズ〈5〉追憶―refrain (富士見ファンタジア文庫)/あざの 耕平
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【平凡な学校生活。側にある梓ちゃんの笑顔。
戦って、僕は退屈だけど平穏な日々を手に入れた…だけど。
カプセルの禁断症状に苦しみながら、景は思う。
――結局、僕は“日常”に馴染めないのかもしれない。
セルネットの壊滅から3か月。
春を迎え、進級し、景たちは新しい道を歩み始めていた。
悪魔を召喚できるドラッグ・カプセルと、それがもたらした一連の出来事は、確実に過去になりつつあるはずだった。
しかし――カプセルが創り出した“もうひとつの世界”は、密やかにその闇を深めていたのだ。
日常に違和感を抱く孤独な景の前に、再び“彼女”が現れる時、王国への真の扉が開かれる―――。
ネオ・アクション・サスペンス、魂が引き裂かれる第5弾。 】

旦那……! な巻でした。
わたしは甲斐氷太と皆見茜さんが大好きです。

■ 感想とか色々~

高校生の日常。
受験を意識しての補習に向けての勉強や、物部景が自身で感じる異常性。
紛れて、無慈悲な女王と幼かった頃の景の過去話。
いきなり帰国子女で景の幼なじみである姫木梓以外の女の子が出てきたのにはびっくりしました。
しかも“女子高校生”然としている。一般的かつ多数派? ああ嫌味ったらしい。
女の子ーって感じの女の子。
他人の恋愛に口出す女友達って心底余計なお世話だなあと思う。

景ちゃんがロマンチストだったのにもビックリしました!
梓さんはサディストだ とも思いました。この人絶対根っからサディスティック。
ともすれば自分の特異性ってそのことに酔っていると取ることが多いんだけど、ギリギリセーフかな。
全てを平均と思うことも、全てを異常と思うこともまたひとつの思い上がりかもしれない。
海野千絵の言っていた「受験」に対する捉え方を「良い子だなあ」と思ったのは、「それらを踏まえて」前向きに頑張っているのが理由。
「苦手なことに立ち向かうこと」。代替品の効かないものってなにがありますか。

割り込むように 王様の決闘。
わたし…旦那…凄い好きなんだよね……。
いえ皆見茜さんも大好きですケータイの「これは私の真実」にはやられましたとも!
ああああもう公式でいいんじゃないかな…! くっついちゃえよ!
旦那のことをディンゴではなく甲斐と呼んだ時点で青褪めた。
そして今回もやっぱりあんまり活躍しなかった な! 茜さーん。
ビーグルもあれれなことになっているし…王様とその参謀役ってそんな仲良かったんだ…(笑)
景ちゃんと梓の告白シーンもあったのに。なんで君らはどこまで行っても主従関係っぽいんだ。

旦那は背負っているほうが良いよー。
わたし戦闘大好きっ子のトップがDDのためにウィザードにちょっかい出さないっての凄い好きなんだ。
柵も未練もないのだってそれはそれで素敵だけど、雁字搦めで溺れそうになっているのにいきなりブチ切れて暴走しちゃうような、なにをやらかすか解らない危険性も好き。
記号化される関係も飲まれてしまうことも、感情がないのは嫌。
久しぶりに純然たる殺し合いを楽しみました。
狂犬の王様と騎士の影との戦い。どちらも異端。
ツーパターンは白と黒。

スリーパターンの頭文字Bな人々。
これもまた興味深くもあったんだけど――カプセル飲んで手に入れる悪魔って自分の本質を象ることが多いんでしたっけ。
そうしたら魂は本質になるのか。まああながち外れてもいないだろうが――本質はつまり核か。
取り繕い偽り隠すことを覚えたのが表の性格、欺瞞と理性と剥ぎ取ったのが“本質”?
vs使い魔コウモリの水原勇司、探偵の海野千絵、「積極的防御」を担当する助手の姫木梓、計算高さをセルネット上層部に買われていた皆見茜。
この人常識人だよな。
途中から水原とどっか行っちゃってるけど大丈夫か。


イラストレーターは村崎久都さん!
モノクロも大分カラーと近くなってきたような…!
でも登場人物の絵が昔のまま。短編さえ揃えばコンプリートなんだけどなー。

本編完結まであと2冊♪



Dクラッカーズ〈4〉乱‐rondo (富士見ファンタジア文庫)/あざの 耕平
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