キャンディ・ポップ (小学館ルルル文庫 く 1-4)/倉吹 ともえ
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■登場人物
アイリス
ランズーカ王国の王女。16歳。明るく素直で前向き。
国民を救うため、ザオネイルの“貢物”として捧げられる。

ザオネイル
カミさま。容姿は18歳くらいの格好いい男の子。
願いの選好みをする。約束は守らない。アイリスの言動にかなり動揺する。

レジー
アイリスの幼馴染。宰相の息子。
趣味はアイリスが困るのを見ること。但しアイリスをいじめるヤツはこっそり抹殺。


■あらすじ
幼い頃から王妃である母に株とカミさまには手を出してはいけないと育てられてきたアイリス。
平和な農業国ランズーカを襲うのは、稲穂を食べてしまう田喰い虫。
早急に対策を練り人材を派遣したものの、親衛隊になって戻ってきてしまう。(この意味が読了後もよくわからない)
頼りたくはないが、頼らざるを得ない。国民の命には代えられない。
折りよく、近くに滞在しているというカミ・ザオネイルに願うが、代償として“最も大切なもの”を要求され――?


■短編連作…?
田喰い虫の件は、早々とは行かないまでも100ページ前に解決します。
これもこれでキレイな終わり方でした。笑えるオチまでしっかりついて。
そのあとは、第二話でニセガミ事件、第三話でゲストキャラの恋愛。
巻き込みつつ、カミと人との隔たり、一方的な偏見、或いは固定観念。
こちらの三つは然程でもなく、特筆すべき点はないんですが、後半に行くにつれてザオネイルがどんどん可愛くなっていってます…!
ヒロインは結構どたばた系、ザオネイルが色んなことに無頓着っていうのもあるんですが(それでも楽しそうなときは楽しそう)。
で、幼馴染で宰相のレジーがかなり出てくるんですよねー。
うーん、幼馴染も宰相も設定としては好きなんだけど、ただの心の小さい男としか見えなくて…。
一応アイリスを好きらしいですが、出来れば早目にご退場願いたい。
一生懸命譲歩してプライド保とうとしてでもアイリスを気遣っちゃうザオネイルが可愛い。
ゲストキャラさんは総じてそこそこ好き。特に学者一族が妙にいい味。


■次は
砂漠の国の物語、ということらしいので、もう楽しみに楽しみに首を長くして待っておりますっ。
こちらが大好きだったので、あらすじを読まず表紙を見ずな、今更ながらに危険極まりない買い方でした。
続刊は……出ると名前だけで買ってしまいそう。アイリスをもうちょっと確りさせて、レジーを退場させてくれれば言うことなし。
裏表紙のあらすじもタイトルも古臭い若さだなァと思う。