“文学少女”と神に臨む作家 上 (ファミ通文庫 の 2-6-7)/野村 美月
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【ついにラストエピソード――「文学少女」の物語が開幕!

2月。文芸部の放課後の時間は、今も穏やかに流れていた。
けれど、遠子の卒業の日は迫っており、次第に彼女は別れをほのめかし始める。そして――。
突然の、「文学少女」の裏切りの言葉。愕然とする心葉を、さらに流人の言葉が翻弄する。
「天野遠子は、消えてしまう」「天野遠子を知ってください」――「文学少女」の真意とは?
心葉と遠子の物語の行く末は!? ビター&スイート学園ミステリー、「文学少女」の物語が開幕!】


■遠子先輩のこれまで
家族のお話。
彼女の母と親友である流人の母。
編集者であった遠子の父と、作家であった流人の母、そして「物語を食べる」父子の作家であった遠子の母。


■ちょっと地雷…かな
初めて遠子先輩にイラついた。家にまで押しかける遠子先輩……ええええ。勘弁。
美羽のごたごたも片付いたわけじゃないが一応一段落して、琴吹さんと付き合うことになったコノハ。
あー彼女が作品中唯一の癒しです!!
ツンデレすぎて嫌いだったんですが、もういいです、最後の最後で決めるとこ決めてくれたし!
ありがとうななせちゃん! レモンパイはウンディーネのときにも焼いてた気がしますね!


■「次書け」コール!
美羽のときは琴吹さんがイタすぎて美羽に説教垂れたくなって、予想はしていたけれどコノハが弱くて、どうしてもイライラして読んでいたんですが。
この巻はまた別の所で来ましたねー。
「二作目書け」の声の多いこと! 担当さん、流人の母、この人は絶対ならないと思ってたんだけど――遠子先輩と、流人兄さん。


■流人さんがどんどんと…
最後の「前世」宣言にしろ、「特別な人」にしろ、みょーに流人が人間くさくなっちゃった。
竹田さんは中立を守るかと思いきや、若干流人寄り。琴吹さん頑張って…!
流人兄さん結構好きだったのになー。彼の中の“生々しい”部分。
ある意味文学少女はそういう人の汚い部分を見せ付けられたりするわけですが、泥の中に一粒くらい砂金あったっていいよね? という部分もある。
遠子先輩は、透かと思っていたけれど、違ったのね。
「書いて欲しい」というのが彼女の欲だけど、コノハはそれを嫌がってる。


■個人的ですが
コノハは一般人になりたくて、遠子先輩や流人兄さんたちは、作家であることを望んでる。
傷付いている子に、傷付いた子に、傷付いている子に、更に傷つけ、と言うのは酷だろう。
多分、私がそれを言うのを許すとしたら琴吹さんだけで、でも彼女は、ただの井上心葉を望んだ。
あーでもウンディーネのあれをすると書いてるんだよなー。
コノハがそれを乗り越える過程も読みたいけど、彼が望んだものが日常ならそれはそれでいいんだ。


だからもうそっとしといてあげようよ流人…。