積極―愛の歌/谷川史子







著・谷川 史子/積極-愛のうた




初のクィーンズコミックス。


横顔に惚れました。


凛、という言葉がこれほど相応しい表紙も珍しいのではないでしょうか。














おじいちゃん教授を好きな助手のお話。


死んだ妻が悲しみますから、と女子学生と目すら合わせようとしない。


そんな教授が好きな女の子のお話。


青い林檎、ステキです。


タイトルは「積極」。






結婚式がこれほど大変なカップルも珍しいでしょう。


ころころ変わる視点が大変ですが、時系列ごとに追えるのが面白い。


というわけで「スパイラルホリディ」。


幹事のお姉さん大好き。幸せになってね。ブーケ取るんだよ。


誰にも気付かれず隠し切ったその心に絶えない拍手を送りたい。






長年続いた彼氏と一緒に居てもトキめかない。


思い起こせば私達、告白なんてものもありましたっけ?


な倦怠期カップル。


始まりから、見てみましょう。


最初はこんなにも、きらめいていた。


「風の道」






谷川史子さん、もといクィーンズコミックス自体が初めてでしたが、


この人の絵の雰囲気柔らかいなあという印象。


ハチクロの絵の線を薄くして、書き込みを減らした感じ。


表紙が清水玲子さんの「月の子」のあのなんだっけ……人魚?


雌雄同体でころころ変わっちゃう子が女性のときみたい。





短編集がもうひとつあるのでほしいなと思い中。


でも本当は金欠なので危ない財布事情。


んー………黒くない、白いお話。洗われますよ心。


だからその分食べた感じは少し物足りないですが、


こんな恋愛があったらいいなあと思います。


特に2話目。お姉さんの続き、書いてください。


初恋の男の子が結婚をしたあとの、新しい人とのお話、読みたいです。





雨が降ってきちゃったので兄と一緒にふて腐れ中。


早く止めや。




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夏月の海に囁く呪文/雨宮諒

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著・雨宮 諒/夏月の海に囁く呪文

「能面」の修一君がどこかへ行きたいと想って作った呪文のお話。
ラジオに投稿した話を理由にその島を訪れたのは劇作家のお姉さん。
酷く似ている2人のお話。


在りがちなのは在りがちですがだからと言ってそれを嫌う理由にも、低い評価を付ける理由もありません。
伏線がちゃんと張られているから頷いてしまうような場面もありますし、
2話目ではちゃんと泣かせるような話作りが出来てるし。

オムニバス。
他の話では脇役だった人が今度の話では主役になっていたり、人だけではなく犬も主役だったり、最後もあの数ページで上手くまとまっています。<
3・4話目は詰め込んだという感じ。作者が意図せずとも。
2話目が非常によく出来ていたので、期待していたけれど肩透かし。
まああれはあれで話としてちゃんと出来ているけど、
堂々巡りのような感じが苦手でした。

ストラップにはやられましたええ。
修一くん、相手からあれだけやられてたら気付こうね。
感はもう飽きたよ。
女の子は許せるけど男の子が許せないの。ってか気付けよ。



咲かなかった恋にも、いつか意味が見つけられると良い。


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裸者と裸者 (上)(下)打海 文三

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打海 文三
裸者と裸者〈上〉孤児部隊の世界永久戦争


打海 文三
裸者と裸者〈下〉邪悪な許しがたい異端の



覚悟してお読みください。
ずっとラノベばっかりだった人にはちょときつかったです。
ひっさしぶりに重い本を読みました。
なので今ちょっと胃もたれ中。食傷中。
まあ雰囲気に引き摺られなかった分だけマシだと思いたい。
漢字多いのはともかく、グレネードランチャーとか迫撃砲とかAKとか解らないんで…。B15とかそこら辺です解るの。



日本のどこかでいまも戦争がおきてる。

両親を亡くした七歳と十一ヶ月の佐々木海人。


妹の恵と、まだ二歳になったばかりの弟の隆を守るため、

手段を選ばず生きていくことを選択した――――。  



最初は孤児兵。使い捨ての、誰にも惜しまれない、反感を買うことのない命。

学は無く、故に会話も平仮名ばっかりで、それでも、海人には庇護者である弟と妹が居る。



人を殺して手に入れたお金。
人を狂わせる葉を売って手に入れたお金。
キレイなお金が欲しかったけど、汚い金で2人の命が助かるのなら。
正しい教育を受けて正しい道を歩めるのなら、という海人に、弟の隆は言います。

「ようするにかいとはおれたちをすてるわけだ」

お父さんが殺されてお母さんは絶望的な行方不明で、
それでも3人で生きていくことを、決めたのに。

強姦も略奪もなんでもありの部隊。
価値が無ければ殺される。
なんの躊躇いもなく銃口をむけられて引鉄を引かれる。

その中で海人は、非常識を見て世界を知り常識を見極め己を解します。
電池のように使い捨てられる孤児を、殺されていく仲間を守る為に、任せられた部隊を強化し、武装し、訓練し、精鋭とさせ、生存率を上げます。

レズビアン、レイプ、ゲイ、性差別、年齢差別、人種差別、
政府軍と反乱軍、派閥、地方軍閥、宗教、マフィア。
賢しさ、狡猾さ、卑怯さ、狡賢さ、理性、誠実、常識と非常識、プライド。

資金を得ると、溢れかえるほどの仲間の為に孤児院を作り、医療を調え、
他の団体とも手を組み、仲間を蹂躙した上司を殺し、恩を返します。

下巻では、海人達の友達・椿子と桜子のお話。月田姉妹。
彼女らに差は無く、区別も無く、2人でひとり。
椿子は桜子、桜子は椿子


彼女達の結末と、「父親」に対する姿勢。
冷静に他者を分析する彼女達が好きです。

戦争モノ。最初から最後まで戦争モノ。
戦闘じゃありませんでした。
利害と損得と利権と権力と武力と食料が絡んで絡まりあって、
戦争ナシでは回らなくなってしまった経済情勢の中で、
それぞれがそれぞれの理念の下、ただひとつ戦争終結に殺しあうお話。
響く言葉が、数え切れないほどに、存在するお話。


同シリーズの感想:別窓開きます
愚者と愚者(上) 野蛮な飢えた神々の叛乱※裸者と裸者の続刊。
愚者と愚者(下) ジェンダー・ファッカー・シスターズ

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