「昭和天皇 第四部」を読了 | 紺ガエルとの生活 ブログ版日々雑感 最後の空冷ポルシェとともに

「昭和天皇 第四部」を読了

「昭和天皇 第四部」福田和也著、を読了。
副題は「二・二六事件」。

やはり福田氏がライフワークというだけあって、グルメ番組のお間抜けレポーター的な言い方をあえて再びすると「面白くてためになる」本。

「皇道派」を自称しながらも、「彼の人」の意向を汲まず「彼の人」の威厳を傷つけ。
明治帝の偉業とされた立憲君主制をおとしめる一部の軍人。

その脅威から、立憲君主制あるいは議院内閣制を守るため。
内閣の輔弼によって国務行為を行う、という「守るべきもの」の規定を自らあえて乗り越えて。
立憲君主制の否定につながる自らの行動で、立憲君主制を守る、という自己矛盾に置かれた若き君主。

そしてその想いもむなしく、2・26事件が起こり。
「天皇の名の下に」天皇自らが「守るべきもの」としていた老臣たちを殺戮する反乱部隊。

無政府状態となる首都東京。
危機に際し、立場の違いを乗り越えて一致団結する皇族。

そこで「彼の人」は何を思い、何に苦悩するのか。

昭和の歴史の転換点が、様々な矛盾の蓄積の爆発が、表面的な歴史の記述ではなく、生身の人間の視点から語られる。

「龍馬伝」「坂の上の雲」的、明治国家建設に対する賞賛(あるいは現実逃避?)の中で。
どこを変節点として、歴史が変わっていったのか。
それを腹に落とし込んで理解できる、「面白くてためになる」一冊。

第三部まで読んでからでなくても、これから読んでもいいのではないかと思う。
お勧めします。



「昭和天皇 第四部 二・二六事件」福田和也著
2010年8月 1750円
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余談だが。

この本は、アマゾンで予約して8月には我が家に来ていたのだが。
ランニングに熱中するあまり、読書量が減っていて。

ランニングと読書には、以下のような強い逆相関がある。

夜会社から走って帰ってくる
    ↓
汗かいてて風呂入る
    ↓
運動した上に風呂上がりで、冷えたビールや白ワインが一層旨い
    ↓
のどが渇いていて食事前に我慢しきれなくなり、空きっ腹に酒を飲むと酔いが回る
    ↓
本を読むことなく、「健康的な時間」にベッドに向かう
    ↓
よく眠れて体調が良く、朝元気に走って会社に行っても気持ちがよい
    ↓
また走りたくなる
    ↓
夜も走って帰ろう、と思う
    ↓
最初に戻る、以下無限ループ。


先週20kmのレースに出たあと風邪を引き。
先週ずっと「性転換でもしたの?」といわれるようなひどい声で。
一週間、全く走らず。

そして、昨日ゴルフの練習していたら。
ぎっくり腰に近い状態になり。
昨日の夜から、絶対安静状態で。

読書がはかどります。


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