2015年


90歳のゼヴ(クリストファー・プラマー)は、妻を亡くしたことさえ忘れるほど物忘れが進んでいた。ある日、彼に友人マックス(マーティン・ランドー)が1通の手紙を託し、家族を殺したドイツ人兵士への復讐(ふくしゅう)を依頼する。

自分と同じくアウシュビッツ収容所の生き残りで体が不自由な友人のために、ゼヴは単身でリベンジを果たそうとするが……。 シネマトゥデイより


老人ホームで暮らすセヴとマックスはユダヤ人で、アウシュビッツからの生還者。

2人ともナチスに彫られた認識番号が腕に残っています。

アメリカに移住した元ナチス親衛隊ルデイ・コランダーへの復讐を誓いますが、

計画を立てたマックスは病気で、ホームから外には出られない。


一方、認知症だけど身体的には何とか動けるセヴがマックスの計画に従って、

自らの手で敵を討ちに旅立つ。


最初のうちは、セヴが短期の認知障害だと思っていたのですが、

アウシュビッツでの回想も無いところから、

どうやら、短期どころか戦時中の記憶も失っているようでした。

そして、これが大きなキーポイント。


セヴの復讐の旅。

先ず驚いたのは銃販売店でのこと。

店で犯罪歴などを調べるのですが、認知症までは分からない。

認知症の人に銃を売るって怖いですガーン


セヴが手に入れたのはオーストリア製の銃。

使い方が分からないと言う割には…


セヴは昔ピアノを弾いていました。

これも後に続く伏線に繋がっていました。

最初にホームで弾いた曲が誰のだったのか聞き逃しましたが、

最後の家で弾いたにはワーグナー。

ここで、アレッはてなマークと思った人が多かったはず。

ワーグナーは有名な反ユダヤ主義なのです。


最初から、認知症のセヴはマックスに操られていて、

そのこと自体は間違いないのですが、

その復讐劇の顛末は予想していたのとは全く違いました。汗

腕に彫られたユダヤ人の認識番号も大きな意味がありました。。


プラマー氏、本人がピアノを弾いているそうです。。

とても素敵な調べ。

マックスを演じたランドー氏は「やさしい嘘と贈りもの」では認知症の老人役でした。

ブルーノ・ガンツもちょいと登場。

彼は過去にヒトラーも演じています。


老人が主人公。ドラマ系の部類に入る作品だと思っていましたが、

最後の結末から、これはミステリーだと思う。

これから鑑賞されるなら、ネタバレ無しで観た方がいいと思います。