2011年 フィンランド・フランス・ドイツ
フランスの港町ル・アーブルで靴みがきをしているマルセル(アンドレ・ウィルム)は、
不法難民で警察に追われている黒人少年を助けます。
その直前に妻のアルレッティ(カティ・オウティネン)が倒れて入院。
マルセルは少年を自宅で匿い、少年が目指すイギリスへの渡航を手助けしようと画策します。
アキ・カウリスマキ監督の新作です。
昨日仕事を早々に引き揚げてパンを頬張って急いで電車に飛び乗りました。
間に合って良かった~
相変わらずセリフが無いな~と思っていたら、
マルセルが意外と早くに喋りました。
でも登場人物たちはいつも通り抑揚のない話し方です。
特に妻。
病気で入院してしまうのですが、
それまでも体調不良だったのに、夫マルセルには淡々と話します。
○嶋菜々子の「承知しました」を思い出しましたわ~
マルセルの近所の友人たちも、冷たいようで実は心の温かい人ばかり。
妻が入院しても近所の奥様方が頼もしくて素敵でした。
ベトナム人のチャングもいいヤツだったわ
善人の周りには善人が集まるのね。
それとマルセルを監視するモネ警視。
いかにもカウリスマキ風の黒づくめで登場するのですが、
ジャン=ピエール・ダルッサンですよ~
顔にいい人感が滲み出ていて、絶対冷たい男なんかには見えません…
音楽は古風でエキゾチックでした。
現代もののわりに、タレこみ男の家の電話は黒電話だったし、
もしこれが30年前の作品と言われても疑わないかも…
(ただし背景にある難民問題までは分かりません)
その難民の少年が発端になった事件。
ル・アーヴルから200キロ近く北に行ったところに、
フランスのカレーがあり、ここはドーバー海峡を挟んで隣がイギリス。
難民たちはここを目指して集まるようです。
「君を想って海をゆく」の舞台もカレーでした。
当局に捕まった難民たちはこのカレーにたくさん収監されていました。
マルセルは「靴みがきと羊飼いが一番神に近い」と言っていましたが、
その理由が無宗教の私には分からなかったのですが、
神様の言葉なのかマルセルの持論なのか。
何故なのでしょう~
ただ、「何が善で何が悪か?」ということを、
この作品で感じることは出来ました。
それを教えてくれるのはマルセルと友人たちです。
カウリスマキに詳しくない私ですので、
最後の展開は予想とは反対でビックリしました。
監督ファンの方々は私のような素人が「え~っ何でそうなるの?」と驚いたのを見て、
ほくそ笑んでいたのかも…
普通では無いのが監督なんですね~
最後、マルセルの庭の小さな桜の花が開花しています。
小さな幸せってこんなものなんですね。