1985年 イタリア
かつて絶大な人気を博した芸人コンビ、アメリアとピッポは、クリスマスのTV番組出演で30年ぶりの再会を果たす。
フリーク的な共演の顔ぶれや、TVの速いテンポに戸惑う二人だが、甘いノスタルジーに浸ったり、過去のあやまちを悔いたりするうち、恋人同士でもあった頃の感情を取り戻していく。
だが今はそれぞれの生活もあり、出番を終えれば再び別れゆくのだ……。
ショウの準備のドタバタに流されず情感を出すマシーナとマストロヤンニの息の合った好演が光る、フェリーニの集大成的作品。 allcinemaより
フェデリコ・フェリーニ監督の晩年の作品。
30年前までジンジャーとフレッドのモノマネ芸人で活動していたアメリアとピッポ。
ジンジャーとフレッド本人は誰かというと、
かの有名なダンサー、ジンジャーロジャースとフレッド・アステアだそうで、
私はジンジャー嬢は存じ上げなかったです
ご本人たちに負けず劣らず映画の主演2人も大物俳優。
「道」のジュリエッタ・マシーナは監督の奥様、マストロヤンニ氏は言うまでも無く…
クリスマスショーの出演者たちは、モノマネ芸人だけでなく、
怪しげな修道士や超心理現象学者、18の乳を持つ牛、小さい人たちなど様々で、
監督のサーカス好きが垣間見えて来ます。
アメリアとヒッポは現役時代は恋人同士で、30年ぶりの再会。
他にも昔の芸人仲間が呼ばれていてさしずめ同窓会。
でも皆さん歳をとるのですね…
アステアはやる気満々でしたが、ピッポの方はあまり気乗りしていません。
彼はお金のための出演と話していました。
でも、お互い30年ぶりに会うのを楽しみにしていたのだと思います。
それでも舞台に立ったら(トラブルはありましたが)、昔のステップは蘇る。
ただしピッポのダンスはハラハラでした。
この作品、大まかなストーリーとは別に監督のテレビ社会への警告があるようです。
テレビを1日観ないだけで具合が悪くなった女性や、
度々映し出されるグロテスクな料理、
何とローマでは66のチャンネルがあるとか…
DVD特典の作品解説は淀川長治氏。
なるほど~、と鑑賞前まで知らなかったことも判明しました