2015年 ドイツドイツ


ナチス・ドイツを率いて世界を震撼(しんかん)させた独裁者アドルフ・ヒトラー(オリヴァー・マスッチ)が、現代によみがえる。

非常識なものまね芸人かコスプレ男だと人々に勘違いされる中、クビになった局への復帰をもくろむテレビマンにスカウトされてテレビに出演する。

何かに取りつかれたような気迫に満ちた演説を繰り出す彼を、視聴者はヒトラー芸人としてもてはやす。戦争を体験した一人の老女が本物のヒトラーだと気付くが……。 シネマトゥデイより


今週1週間はTOHOシネマイレージ会員は1100円と聞いて急遽行って行きました。映画


ドイツ本国でベストセラーになった原作の映画化。


最近、他の映画かテレビで観たのですが、

街頭でドイツの若者に「ヒトラーを知っているか?」という質問をしたところ、

「知らない」と答える子供たちが結構いました。目


タイムスリップで現代に現れたヒトラー。

周りの人たちはモノマネ芸人だと思い込み、

テレビ局も視聴率欲しさに彼を担ぎます。テレビ


見どころの一つに街頭でのゲリラ撮影。

現代のヒトラーが街の一般人と議論を交わす場面が出て来ます。


映画の撮影と知って、コスプレのヒトラーを面白がってカメラ撮影する人続出。カメラ

笑い飛ばしたり握手を求めたり、禁止されているあのポーズで応対する者も。

また、映画と分かっていても、このヒトラーに嫌悪感を表す人も少なくないです。

(もちろんその中にユダヤ人もいるでしょう)


また、本物のネオナチとのやり取りもあります。

ヒトラー役の役者の方が一枚上手だったように見えました。


ユダヤ人で戦争経験者の老女が登場します。

ここはもう少し掘り下げて欲しかったかな…


原作のテーマも同じでしょうが、、

この映画では、現代ドイツの抱えた問題を浮き彫りにしています。ドイツ

経済問題だけで無く、移民問題も大きい。

もしヒトラーが現代人だったら、移民は当然排除だね。

というかガス室送りかも…汗


ヒトラーは「無用な殺人はしない」と言っています。

そう、ユダヤ人たちの虐殺は彼にとって無用では無いのです。ガーン


ヒトラーは言います。

「わたしを選んだのは国民だろう!」


でも、ヒトラーのようなカリスマ性を持つ人間に洗脳されてしまうのは、

個人の責任では無いような気がします。

戦争責任を認め誤っているドイツでさえ、

こういう人物の登場で、人々の心はまた揺れ動くのですね。あせる


70年前は映画でプロパガンダ作戦を遂行していたナチス。

現代ではネットパソコン。これは瞬く間に国民に広がります。

まさしく現代人への警鐘です。


コメディ映画なのですが、

ヒトラーの行動や暴言に笑っていいのか悪いのか戸惑う場面が多かったです。


軍服クリーニング中でポロシャツジーンズ姿のヒトラーも見られますが、

ヒトラーが政治家になる前なりたかった職業の画家の才能を生かし、

街角で似顔絵スケッチをする場面が面白いにひひ

(この絵、ヒトラー本物が見てたら「ヘタクソ!」と怒るよ~)