かつてダンス映画で名声を得た俳優トニー。その彼も今や俳優生命に陰りが見え始めていた。そんな時、旧友のマートン夫妻が、彼のために書き下ろしたミュージカル・コメディ「バンド・ワゴン」の舞台化案を持ち掛けてくる。
トニーは初め戸惑うも、その企画へ参加することに。
さらにそこへ、ジェフリーという男も協力者としてやって来る。
彼は作品の近代的な音楽劇化を提案。
その突飛な発想で、トニーの共演者に新進バレリーナのガブリエルを抜擢した。こうして彼らは、ジェフリーのアイデアに不安を抱きながら初演を迎えるのだが…。 allcinemaより
ミュージカル作品。
「雨に唄えば」が前年の公開。
この作品も、歌って踊れる中年のダンサーが主人公です。
もっとも、私が生まれる前の作品で、
フレッド・アステア氏の他の作品を観たかどうかは憶えていません。
主題歌の「ザッツ・エンターテイメント」はあまりにも有名です。
物語の筋は、
最初は反発しあった中年ダンサーと若い女優のラブストーリーと、
大コケした新作ミュージカルを仲間たちと建て直す旅に出る話。
トニーを演じるアステア氏。
この頃すでに50代半ばだと思います。
細身なので、ヒロインと踊る場面大丈夫かな~と思ったら、
若いシド嬢が飛んでくれるので支えるくらいで問題ありませんでした。
彼のダンスは軽くて楽しいです
最初は胡散臭く見えたゴルドバという男は、お調子者だけど結構有能で気のいい男。
トニーの昔からの知り合いの作家夫婦もとてもいい人たち。
名前は存じませんが、私は作家の奥さん役の人が好きだわ~
ガブリエルの恋人はちょっと頭が固いけど、悪役というわけでも無く、
ミュージカルの仲間たちも皆一生懸命。
悪役が出て来ないこの作品は、ご機嫌で鑑賞出来ます。
初演がコケるのは巨匠と呼ばれるクラシックの大作曲家も同じ。
少しずつ建て直しいていい作品になるのですね。
また、「男のハンカチは手を吹くものでは無い」という王道の場面もありました。
最後の舞台の場面は、
観客たちと共に、映画を観ている私たちも一緒に舞台鑑賞しているような気分。
歌と笑いと踊りのエンターティメント。
ご機嫌な作品でした。