2012年


1940年代末、イギリス人と香港人女性の間に生まれた赤ん坊は水上生活者の貧しい漁民の夫婦に売られ、ワーチュンと名付けられる。

カトリックの神父の協力もあり、働きながら学んだワーチュン(アーロン・クォック)は、憧れの東インド会社に雑用係として入社。

イギリス人上司の差別行為に屈することなくたゆまぬ努力を重ねた彼は、次第に社内で頭角を現していく。シネマトゥデイより


1940年代から1990年代の香港を舞台にした作品。

私はこの時代の香港のことは詳しく知りませんでしたが、

ちょうどイギリスの植民地時代。

キリスト教を信じる人も多く、ワーチュンの家族も洗礼を受けています。


歴史によく出てくるイギリスの東インド会社が香港にもあったのですね。

ここの従業員に雇われてからワーチュンの人生はどんどん変わっていきます。


東インド会社の重役曰く、

昔の香港は貧しい漁場の街で、

東インド会社が香港を大きく発展させたとか。


また、1960年代に起こった民衆による反英運動。

実際の映像が流れます。


ワーチュンの物語も実話を元にして、とあったので、

モデルとなった男性がいるのでしょう。


彼はイギリス人とのハーフで、水上生活者の両親がお金で買ってきた子。

貧しいながら愛情を持って育てられます。

それでも子だくさんの上、父親の死などもあり、家族はバラバラにしょぼん


長男のワーチュンは家族のために陸で働きながらも勉強を続け、

運とか誰かを踏み台にするのではなく、

自分の力で昇進していきます。アップ


一方、母親はすごいバイタリティーの持ち主。グッド!

血は繋がっていなくても母の向上心がワーチュンに遺伝したかのようです。


英国のパスポートを持っていても、

英国人では無いという複雑な事情はよく分かりませんでした。


この作品はワーチュンの目を通して現代香港の歴史や、

民衆の暮らしを映してくれています。


また、家族の話でもあり、

ほぼ全編に登場する母親や、

学歴の無いワーチュンの妻の苦悩が描かれています。


今の香港では考えられないでしょうが、

「残飯収集人」と呼ばれる人たちが多くいた時代。

そして反英運動から30年。香港は中国に主権移譲されましたが、

香港の方々は「香港人」の誇りをずっと持ち続けているようです。