2013年
高校の古典文献学教師のライムント(ジェレミー・アイアンズ)は、孤独で単調な日々を過ごしていたが、不満に感じることはなかった。
ある日、偶然手にした本にすっかり魅了された彼は、本の著者アマデウ(ジャック・ヒューストン)を追ってリスボンへ旅立つ。
旅先でアマデウの家族や友人を訪ね歩き彼の素顔、そして本を書いた訳が明らかになるつれ、ライムント自身の人生にも変化が生じる。 シネマトゥデイより
原作はスイスの作家パスカル・メルシエのベストセラー「リスボンへの夜行列車」
映画の原題は「NIGHT TRAIN TO LISBON」
原題の方がいい感じです~
ベルンで授業中のライムントは急遽リスボン行きの特急に乗り込みます。
日本では特急電車だけでは外国には行けませんね…
彼が何故そこまでして本に魅せられたかというと、
彼が生まれてからずっと思い続けていた人生観のすべてが、
アマデウの書いたこの本に書かれていたから。
カーネーション革命は1974年にポルトガルで起こったクーデターだそうです。
アマデウと仲間たちはこの時代を生き抜きました。
ライムントはリスボンで、この本に書かれた人物たちに関わっていきます。
また、眼鏡を壊したことにより別の出会いもありました
また、ライムントは国語教師ということで、言葉や文章に敏感。
でも、元妻に「退屈」と言われたこともあり、
自分自身を見直したいという気持ちがどこかにあったからかも。
「無神論者の神父」「意味の無い特権」等々、
哲学的なセリフ(原作ではどいうい形で使われているのか?)が多かったと思います。
アマデウとその家族、そして革命の友人たちのその後。
そして忘れた頃に、冒頭に出てきた赤いコートの女性が再登場して、もう一つの種明かし。
切ない場面が多いけど、眼科医の女性や宿の主人とのやりとりは面白かったです。
内容とはズレますが、
この作品の主要人物のキャスト、豪華ではあるのですが、
リスボンが舞台なわりにスペインやポルトガル系俳優が少ないのでは…
主演のアイアンズ氏を始めイギリス人が多く
メラニーはフランス、レナはスウェーデン、
あとドイツ系ね。
クリストファー・リー氏には驚きました。
1922年生まれ。90歳を過ぎていますが現役です。
ちょっと小さくなられた気もします…
シャーロット・ランプリングは私の中ではいつまでも「まぼろし」です。
ポルトガルなのに英語で進む作品ですが、
どこかドイツ臭さも感じ取れる。
これはドイツ人のマルティナ・ケデックとアウグスト・ディールが重要な役で出演しているからか。
お2人とも東西冷戦モノやナチス映画に出演されていた印象が強い。
そういえば、小説の原作者はスイス人ですが、ドイツの哲学小説とありました。
それでドイツ人俳優を使っているのかもね~
つまり、ポルトガルが舞台の多国籍軍出演のドイツ製作の英語作品です。
(分かりにくいかな…)
ライムントは「退屈」な男だったのかも知れませんが、
映画は退屈では無かったです。
いつか原作も読んでみたいですが、
私は「哲学」は苦手です…