1967年 アメリカ
世界的にその名を知られる黒人医師ジョン(ポワチエ)はハワイで知り合った白人女性ジョーイ(C・ホートン)と人種の壁を越えて結婚を誓い合い、互いの両親の許しを得るためサンフランシスコのドレイトン家を訪れる。
最初戸惑っていた母も、娘の喜ぶ様子を見て次第に祝福する気になるが、父マットの心境は複雑だ。
やがて、ジョンの両親プレンティス夫妻もかけつけるが、彼らも息子の相手が白人とは知らされていず愕然とする……。allcinemaより
タイトルを見て、ミステリー作品かな~と思ったいたら、
黒人問題を扱ったヒューマンドラマでした。
決してお堅い話では無く、
娘が黒人の彼を見つけてきた両親の騒動を、面白おかしく描いています。
娘の母親役には大物女優キャサリン・ヘプバーン。
娘役のキャサリン嬢は彼女の姪だそうです。
どことなく似ていたかも…
1927年生まれのシドニ・ボワチエがこの映画では若く見える~
お肌もスベスベの37歳の青年役です。
ジョーイの両親はインテリで、
彼女には小さい頃から肌の色で差別をしないように教育してきた。
ところが実際娘が結婚相手に黒人を連れてきたら大ショック。
特に父親はその現実を受け入れられないというストーリー。
地元の名士で、仕事がら「黒人差別」という言葉にとても神経質な父親は、
娘の彼氏を「差別」以外の方法で拒絶しようとするのですが、
彼氏は人間的にも非の打ちどころが無く、
娘の結婚の反対理由は「黒人だから」しか無い…
母親は早くに娘の味方になりますが、
いつまでも心の葛藤と戦う父親。
後半ジョンの両親も絡んでますますバタバタしますが、
娘の父の心を動かしたのは、ジョンの母親の言葉。
「愛や恋を語る歳を過ぎるとその頃のことが忘れる」という内容でした。
そうかも知れないです…
4人の親子の他に黒人メイドと司教が登場しますが、
この2人が何とも面白いです。
また、少しだけ出てくるジョーイの友人夫婦もいい感じ~
ところで劇中、「錦のお旗の下から本音がのぞく」
というセリフが出てきます。
錦のお旗=天皇軍の旗ですよね~如何にも日本独特の翻訳
字幕は太田国夫氏。
今の時代、この訳をする翻訳者はいないと思うと貴重な翻訳かも…
人間の心の中の表面と裏面、そして本音と建前。
それらを優しくとらえたとてもいい作品でした
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