「天使の分け前」

2012年　イギリス他

いつもケンカばかりしている青年ロビー（ポール・ブラニガン）は、トラブルを起こして警察ざたに。

しかし、恋人との間にできた子どもがそろそろ出産時期を迎えることに免じ、刑務所送りの代わりに社会奉仕活動をすることになる。

まともな生活を送ろうと改心した過程で指導者のハリー（ジョン・ヘンショウ）に出会い、ウイスキーの奥深さを教えてもらったロビーはその魅力に目覚めていき……。シネマトゥデイより

ケン・ローチ監督作品。

主役の俳優さんは初めて見ましたが、

脇役の面々は監督の他の作品に出演しているようです。

ロビーは貧しく劣悪な環境の中暮らしているという設定ですが、

着ている服は意外と小奇麗でした。

実業家の娘とどうやって知り合ったのか分かりませんでしたが、

彼女は善悪をわきまえたお嬢さんでした。

そもそもロビー自身も周りの人間関係を断ち切れたら、

新しい人生を送るのはそう難しくないのではと思っていました。

奉仕活動の仲間たちは軽犯罪を犯した面々。

いい所も悪い所もたくさん持ち合わせていました。

でもロビーにとって一番の出会いは奉仕活動を指揮するおじさんハリー。

人間的にも親切だし、彼がウイスキーとの出会いを作ってくれたのです。

他の映画でワインの利き酒の場面は見ましたが、

ウイスキーの利き酒は初めて見ました。

ワイン同様、お酒は先ず香りなのですね。

私の舌は肥えていないので、ウイスキーの利き酒なんて到底無理。

でもロビーはそこで才能を発揮したのです。

オークションの会場。

こういうところには必ずお金持ちの日本人らしき人物たちが顔を出す。

そして蔵の中の場面は、いかにも誰かの視線がロビーを追っているような緊迫感がありました。

男性陣が着ていたキルトの中身は絶対見たくないわ～

でも例のウイスキーの香りは嗅いでみたい。

ロビーが人生をやり直すために足がかりにしたのは、

決して褒められる方法ではありませんでした。

でもそこまで気にしていたら、他のコソ泥作品も全部悪だし…

それに彼の傍には愛する彼女と子供が付いているのですから、これが最後ね。

逆に、残った仲間たちはこの後も心配だわ。

ロビーは自分の恩人を最後まで気遣っていたし、

一番いい方法で立ち直る道筋が出来上がったと思います。