「ハッシュパピー　バスタブ島の少女」

2012年　アメリカ

6歳の少女ハッシュパピー（クヮヴェンジャネ・ウォレス）は、“バスタブ”と呼ばれるコミュニティーで、父親のウィンク（ドワイト・ヘンリー）と暮らしている。

彼らは、閉鎖的な場所であったものの穏やかな日々を送っていたが、ある晩、嵐が全てを奪い去る。

突然大好きな場所や仲間を失ったハッシュパピー。途方に暮れる状況の中、ウィンクが重病であることを彼女は察知し。　シネマトゥデイより

昨年のアカデミー賞で主演女優賞にノミネートされた作品。

バスタブ島を上空から見ると、川の河口に近いかなりの平地で、

家の周りに土手も無く、今の日本なら先ずこの危険地帯に家は建てられないでしょう。

映画ではこの地に貧しい黒人白人たちが入り混じって暮らしていました。

ある日巨大な嵐がやって来て、この島は壊滅状態になりますが、

保護された住民たちは尚もこの荒れた地に戻るという話。

南極の氷が崩れ落ちる映像が何度か途中に挟まれ、

地球の自然を危惧しているメッセージが伺えます。

ただ、冒頭から私の頭では分からないことが多かったです。

例えば、何故少女は父親と別々の建物で暮らしているのか、

何故母親は少女を産んでショックで出て行ったのか

この作品では「人間」を「動物」と同じ目線でとらえ、

弱った動物は強い動物に食べられるという弱肉強食の法則も伝わります。

その象徴が彼女には見える太古の動物です。

原始的な生活にこだわる人たちは今でも地球上に少なからずいるでしょうが、

暮らしている土地によって大きな差が出ると思います。

バスタブ島は、おそらく温暖化の影響で水に中に沈んでしまうのでしょう。

小さな女の子の生活に、この先の地球の自然界が見え隠れする物語でしたが、

前述のように、よく分からなかった場面も多かったです。

ただ、最後に仲間たちと歩く場面を見て、

この少女がこの先の人生を無駄に生きることは絶対無いと感じられました。

主人公の女の子がオスカーにノミネートされるのは当然の演技力だったと思います。