2012年 日本 アメリカ
1945年8月30日、連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)の司令官としてダグラス・マッカーサー元帥(トミー・リー・ジョーンズ)が日本に上陸。
彼は日本文化に精通している部下ボナー・フェラーズ(マシュー・フォックス)に、太平洋戦争の真の責任者を探し出すという極秘任務を下す。
わずか10日間という期限の中、懸命な調査で日本国民ですら知らなかった太平洋戦争にまつわる事実を暴き出していくボナー。
ついに最大ともいうべき国家機密に近づくが、彼と敵対するGHQのグループや日本人たちの一団が立ちはだかる。 シネマトゥデイより
ちょうど終戦記念日の本日、劇場鑑賞してきました。
この日が近づくと、新聞の記事にも体験談が多く載せられ、
悲惨な戦争の中、どれだけ一般国民が犠牲になったか、
そして大陸で日本軍が何をしていたか、
貴重な話を改めて読ませていただいています。
この映画は戦争の原因や、むごたらしい内容を描いたものでは無くて、
昭和天皇に太平洋戦争の責任を問えるかどうかを、
マッカーサーの部下が探り出す話です。
戦後すぐに軍部のお偉方は戦犯として捕えられているのですが、
天皇陛下だけは別格です。
終戦直後はまだ神様。
皇宮警察が長い日本刀を腰に付けて警備しているのを見てビックリしました。
証言した関係者たちの話からみても、
日本人は「建前と本音を使い分かる国」であり、
白黒が付きにくい、ずっとグレーのことが多い国。
そして「天皇」はこの世に現れてからずっと、
日本国民にとって特別な存在なのですね。
私は考えたことも無かったのですが、
もし昭和天皇が戦犯として裁判にかけられ死刑になっていたら…
どんな形かは分かりませんが、
今の日本とは違う国になっていたと思います。
もしかしたら天皇制は廃止になっていたかも。
最悪はベトナム戦争や朝鮮戦争のように、
米ソが絡んだ内戦が起こっていたかも
また、天皇の処刑に国民が怒り狂い、
国内は混乱、自死者も続出した可能性が大きいです。
側近の証言のように、天皇には発言力が無く軍の言いなりだったというのが通説。
昭和天皇のお人柄からするとその通りなのでしょう。
前述しましたが、この映画は戦争の良し悪しや、
日本が仕掛けたと言われる戦争の大義名分よりも、
天皇陛下に戦争責任があるか否かの話です。
近衛文麿氏が力説した植民地の話はよく分かりましたがが、
あれは日本が引き起こしたとされる戦争の理由であって、
天皇陛下の責任とは少し違うと思います。
噂には聞いていましたが、トミー・リー・ジョーンズの出番は少なく、
マシュー・フォックスが殆ど出ずっぱりでした。
彼とアヤの恋愛話は中途半端で面白く無かったです。
それよりはボナーの通訳タカハシの家族の話をもう少し詳しく聞きたかったです。
誰もが一度は見たことがあると思いますが、
マッカーサー本人と昭和天皇が並んだ写真を見て胸が締め付けられる思いでした。
この気持ちは日本人で無いと分からないかな~
本作品は洋画では無くて邦画だと思いました。
ボナーが話していたように、昭和天皇に戦争責任があるか否かは、
1000年経っても結論が出ないのかも知れませんが、
日本人だったら、それぞれ自分なりの答えを心の中に持っていると思います。